2024年 4月 27日 (土)

安田純平「自己責任バッシング」見当違い甚だしい!大手メディアは危険地帯に行かないからフリージャーナリストが行く

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   シリアの過激派組織に3年以上も拘束されていた安田純平氏が解放されて帰国した。相変わらず、「自己責任論」や「身代金を払えば、海外に行く日本人の誘拐が増える」「国民や政府に迷惑をかけたのだから謝れ」という批判がある。

   週刊新潮によると、身代金については<「在英国の人権団体からは、カタールの政府が約3億円の身代金を払ったとの情報も出ている。事実だとすると、それは『肩代わり』であり、いずれ日本政府が何らかの形で『弁済』しなければなりません」(大手メディア外信部デスク)>という声もある一方で、日本政府の「国際テロ情報収集ユニット」という組織が動いたという見方もあるそうだ。

   このユニットは2015年に発足し、定員は80名ほど。外務省、防衛省、警察庁、内閣情報調査室などから集められたメンバーで構成されていて、外務省内に設置されているが、全員が内閣官房兼任で、総理・官房長官直結の組織だと、公共政策調査会の板橋功研究センター長が解説している。

   安田氏救出のためにカタールやトルコの情報機関と信頼関係を築き、シリアの反政府組織と交渉してもらったのではないか。そうなると、身代金を払っていなくとも、<「日本政府がカタールやトルコに『借り』を作ってしまった」(板橋氏)>ことになるため、これからの日本外交に少なからぬ影響を与えるというのである。国と国とが、過激派に拘束されている人間を救うために協力するのが、なぜ貸し借りと考えなくてはいけないのか、私には解せない。

   また、安田氏が過去に「自己責任を否定しない」といったことに対して、<「結局、自己責任では脱出できなかったことが露呈しました」(アゴラ研究所の池田信夫氏)>という声があるそうだ。安田氏のいう自己責任とは、紛争地域に潜入するのだから、万が一自分がどうなっても、それは自分の責任だという、ジャーナリストとしての覚悟をいったものであろう。

   拘束され、長い間過酷な状況に置かれれば、カメラの前で「助けてくれ」というのは、弱い一人の人間として当たり前だし、それを国が助けようというのも、至極当然のことである。

   週刊新潮でジャーナリストの徳岡孝夫氏がこう語っている。<「大手メディアの記者はシリアのような危険地帯に行こうとしない。そこにフリーのジャーナリストが入って真実を報じようとするのは当たり前です。そりゃ、政府は危ないところには行くなと言うでしょう。でも、ジャーナリストとはそういうところに行くものです」>

   福島第一原発事故のとき、真っ先に福島から逃げ出したのは大手メディアの人間たちだった。

   週刊文春は、以前から安田氏がしていた安倍政権批判発言などが、自己責任論を燃え上がらせたのだと見ている。奥さん・深結(みゆう)さんについても取り上げている。彼女は有名なポップスシンガーで、出雲大社に20年前に魅せられ、13年には60年に1度の「出雲大社平成の大遷宮」の奉祝コンサートで、その美声を響かせ、島根県の親善大使・出雲観光大使も務めているそうだ。

   そうした縁もあるのだろう、あの安倍昭恵夫人とも昵懇で、深結さんが出した本でも対談している。ジャーナリストの常岡浩介氏が「昭恵さんに相談してみたら」と提案したら、昭恵夫人から「何もできませんが、お祈りしています」という返事が来たそうである。

   安田氏は現在、検査中で、退院したら会見を開くという。

今年に入って殺害されたジャーナリストは62人!カショギ氏もその1人

   「国境なき医師団」のホームページに、今年に入って62人のジャーナリストが殺されたと書いてある。10月2日、トルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館に、離婚証明を手に入れるために訪れたサウジアラビア人ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏(59)も、その1人である。

   ニューズウイーク日本版によれば、「異変」に最初に気が付いたのは、その建物の近くで待っていたトルコ人の婚約者だった。彼のアップルウオッチと同期していたiPhoneを彼女がもっていたため、そこに彼が拷問を受けていた様子が録音されていたというのだ。ただ、これは、何らかの手段で音声情報を入手したトルコ当局が、それを知られないためにそうリークしたといわれているそうである。

   カショギ氏は9・11を主導したウサマ・ビンラディンへの数度にわたるインタビューで、名前を知られた。サウジアラビア支配層に食い込みながらも、その保守性を容赦なく批判するようになり、17年にアメリカに亡命した。

   ワシントン・ポストでコラムニストとして、現ムハンマド皇太子の体制を痛烈に批判してきた。だが、彼はニューズウイークに対して、生前、「政権打倒を叫ばない。あまりに危険だから」と語っていたという。

   それだけ身の危険を熟知していたカショギ氏が、トルコとはいえ、なぜサウジ領事館へ単身で入っていったのか疑問だが、このように、権力の裏側を暴こうとするジャーナリストに危険はつきものである。

   日本のように、平和ボケした国民と、安全地帯でぬくぬくと惰眠を貪っている大手メディアの記者たちは、こうした危険は他所事だと思っているのだろう。から、安田氏のようなケースが起きると、ヒステリックに自己責任などとバカなことを叫ぶ輩に対して、たしなめることもできず、自分たちの恥を覆い隠そうと悪乗りするメディアまで出て来る始末だ。

   この国には、ハロウィーンでバカ騒ぎする自由はあるが、真の言論の自由度はすこぶる低い。それは、大手メディアに所属している多くの人間たちが、権力チエックよりも権力にすり寄ることを仕事だと勘違いしているからだ。

安倍首相はいずれ片山さつきは斬るつもり・・・今度は献金不記載や政治資金で自著爆買い

   週刊文春の片山さつき追及第3弾。青色申告の取り消しを何とかしてほしいと、片山氏に依頼したX氏と片山が交わした携帯電話のやりとりの音声記録を公開している。

   そこで問題の100万円について、<(南村氏=当時の私設秘書=筆者注)「私にそんなものは実費だって言ってましたけどね。私はちょっと金額としてお高いんじゃないですかということだけは(南村氏に)言いましたから、当時、はい」>

   片山の事務所関係者によれば、このおカネは手付で、国税への口利きが上手くいけば、1億円入ると片山が考えていたのではないかと、話している。

   疑惑はこれだけではない。政治団体から献金200万円を受けたにもかかわらず、関連団体の収支報告書に記載していなかったという。

   これについては、週刊文春が取材した翌日、片山事務所が「記載漏れで訂正する」と回答してきた。それ以外にも、自著を政治資金で「爆買い」していたことも暴露されている。

   もともと片山嫌いだったが、女性を1人ぐらい閣僚に入れないと批判されると、無理やり彼女を起用した安倍首相だから、野党の追及に片山が耐えきれずに立往生すれば、すぐに彼女を斬る腹積もりだそうだ。

健康雑誌化、老人雑誌化が進む週刊誌!団塊世代がいなくなったら消える運命か

   私は週刊現代、週刊ポストの健康雑誌化、老人雑誌化を、もはや週刊誌である必要はないと批判してきたが、困ったことに他の週刊誌も同じようになってきた。

   今週の週刊朝日の特集は、「いつの間にか骨折 予防と治療」「認知症を防ぐ15の習慣」「股関節&首・腰のいい病院 全国578リスト」。週刊文春も毎週のように「『いつの間にか骨折』を防ぐ」「健康にいい肌着」などの健康ものが1本は入るようになった。週刊新潮も今週は「デマが飛ぶ『年金受給』は何歳が正解か」と大特集している。

   この背景には、文春砲といわれてきた週刊文春のスクープにひと頃の勢いがなく、週刊誌全体の深刻な部数減があると見る。ここでも何度か書いたが、週刊文春や週刊新潮のスクープがワイドショーなどの下請け化して、やがてテレビから飽きられ捨てられつつあるようだ。dマガジンに売り物の特集を載せないのも、危機感の表れであろう(今週も片山と安田の記事はカット)。

   かつて、週刊現代は、サラリーマンの関心事は「イロ、カネ、出世」だと謳って部数を伸ばした。その読者のほとんどが定年を迎え、高齢者になった。もはや事件やスクープなどどうでもいい。彼らの一番の関心事は「病気、年金、相続」なのだろう。こうしたテーマでは、部数は伸びないが、下支えにはなる。やがて、総ジジ週刊誌になり、団塊世代がいなくなると、週刊誌も消える。これって寂しくないか。

   刊新潮の「年金」特集を見てみよう。週刊現代や週刊ポストで読んできたことの繰り返しである。60歳から年金を受給すると、70歳からの受給者に比べ、年換算で56万1096円も差ができてしまう。70歳からだと年間110万6606円受け取れる。

   それからすぐ死ぬと大損だが、今の平均寿命から「余命」はいくらあるかと計算すると、現在70歳の男性は約15年、女性は約20年も生きられるという。嬉しいような嬉しくないような数字ではあるが。

   こんなことばかりを毎週、手を替え品を変えてやっている週刊現代や週刊ポストの諸君! ご苦労さん。

年をとったら「個人賠償保険」が役に立つ!認知症で事件起こしたらカバー

   その週刊現代から1本。認知症保険はどこまでカバーしてくれるのか、入る必要があるのかという特集。認知症で介護が必要になれば、介護保険でカバーされるから、それで十分だという。

   しかし、認知症によって、万引きしたり、他人を事故に巻き込んだり、火事を出したりすれば、それを弁償する費用が発生する。したがって、自動車保険や火災保険をカバーする「個人賠償責任保険」はマストだという。

   これは、クレジットカードの特約として存在し、費用も数百円だという。私もさっそく入ろうか。

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