2018年 11月 14日 (水)

「イッテQ」ヤラセ全否定の日テレ 後に引けない苦しい事情・・・視聴率一強が崩れ始めた!

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   日本テレビ系の「世界の果てまでイッテQ!」は、2007年に始まり、12年には年間視聴率1位を獲得した人気番組である。現在も20%超の視聴率を誇り、4年連続、視聴率3冠を続ける日テレの顔といえる番組だそうだ。内村光良をメイン司会に、ジャニーズの手越祐也、イモトアヤコらが体当たりの海外ロケに挑むバラエティで、11年、「イモトが挑む南米大陸最高峰アコンカグア登頂スペシャル」は、放送文化の発展と向上に貢献したとして、ギャラクシー賞を受賞している。

   この番組のモットーは「ウソとヤラセの完全排除」だそうだが、今週の週刊文春が、この番組で「ウソとヤラセがあった」と報じている。5月20日に放送された「橋祭り in ラオス」がそれである。「イッテQ」の中の人気企画で、芸人の宮川大輔が世界各地で行われている祭りに突撃参加して、その模様を伝えるというものだ。

   宮川が参加した祭りは100回以上になる。ロケ地はラオスのビエンチャン。年に1度開かれる橋祭りは、全長25メートルの細い板(これを橋に見立てている)の上を自転車で渡るのだが、4つの球が回転していて、これに衝突するとたちまち泥水に落下してしまうというものだ。20人の参加者による勝ち残り方式で、VTRでは会場の盛り上がりも紹介しながら、「町中の人が集まってきた」というナレーションが入っている。

   ところが、この地に赴任して数か月という日本人駐在員が、こんな祭りを聞いたことはないし、周りのラオス人も誰も知らない。そもそもこの地域ではバイクには乗るが、自転車に乗る人はあまりいない。「視聴者だけでなくラオス国民を馬鹿にした」番組だと週刊文春に告発したのだ。駐日ラオス大使館に問い合わせたが、そんな祭りは聞いたことがないという。さっそく週刊文春は現地へ飛んだ。

   現場はビエンチャンの中心から徒歩10分の、乾期で干上がってできたメコン川の河川敷。結論をいうと、当日行われていたのはラオス産のコーヒーを宣伝する「コーヒーフェスティバル」で、その隅っこで、番組のスタッフが設営し、撮影したものだったそうだ。

   コーヒーフェスの実行委員たちは、日本のテレビ局が自転車のアクティビティをやりたがっていると連絡があり、自転車と障害物のボールはテレビ側が用意したと話し、「イッテQ」の映像を見せると「フェイクだね」と断言したのである。

   そのうえ、テレビ側は、参加した若者たちに、1位は日本円にして1万7000円、2位以下にも現金や撮影で使った自転車をあげていたのだ。これが事実なら、ヤラセなどではなく、架空の祭りをでっち上げ、視聴者にウソをつき、ラオス国民を侮辱したといわざるを得ない。

   これを手掛けたバンコクを拠点に通訳やコーディネートしている会社の日本人社長は、「橋祭りはラオスで行われている」と強弁し、日テレ広報部も「橋祭りはメコン川流域などでかねてから行われている催しで、地元のテレビ局などでもとりあげられております」と、週刊文春に回答している。

   「祭り」が「催し」になっているのは、問題が大きくなった時のいい訳のように聞こえるが、宮川は週刊文春に対して、そんなヤラセがあったことは分からない、橋の祭りと聞いていたからびっくりしたといいながらも、<取材の最後、記者の目を見据えて、こう口にした。「しっかり調べてください」>(週刊文春)

   これまでも、テレビは数々のヤラセやでっち上げをして謝罪に追い込まれ、番組が打ち切りになってきた。今回はどうなるのか。

   <日本テレビは8日、「セットなどを設置した事実はなく、番組から参加者に賞金を渡した事実も御座いません」と説明した>(デイリースポーツ・デジタル11月8日付)

   真っ向から食い違ういい分だが、ここはBPO(放送倫理・番組向上機構)の出番でしょうな。

   日テレには後に引けない事情があるのではないか。週刊ポストがこう報じている。58か月にわたり「月間視聴率3冠王」を続けてきた日テレが、王座を陥落したというのだ。抜いたのはテレビ朝日。

   平日の午前と午後のベルト番組が苦戦しているからだそうだが、鳴り物入りで起用した有働由美子の「news zero」もいまや5%を切ることがあるそうだ。逆有働効果か。

韓国「徴用工」ちゃぶ台返し判決・・・日本の言い分がなかなか通らない最初のボタンの掛け違い

   再び日韓関係が冷え込む事態になるかもしれない。いわゆる徴用工問題である。日本の統治時代「強制労働させられた」として、韓国人の元徴用工4人が新日鉄住金(旧日本製鉄)に損害賠償を求めていた裁判で、10月30日(2018年)、韓国の大法院(最高裁)は計4億ウオン(約4000万円)の賠償を命じる判決を出したのである。

   1965年に日韓両国は日韓請求権協定を締結し、日本側が5億ドルの経済支援をすることで、両国民の請求権問題は「完全かつ最終的に解決された」と合意したではないか。それをちゃぶ台返ししたことに対して、日本のメディアも挙って批判の論陣を張った。安倍首相も「判決は国際法に照らしてあり得ない判断だ」と憤り、国際司法裁判所に提訴しろ、いやそれでは生ぬるい、国交断絶だと息巻く声が右派論壇を中心に喧しい。

   週刊新潮もその論調で、論客たちを総動員して、<「日本はまずすべきことは、日本国内の裏切りを許さないことです。こういった話が出ると、必ず日韓議員連盟の議員あたりから切り崩され、大概、いくらかのお金を支払ってしまいます」(元朝日新聞の前川恵司氏)>

   <「日本も韓国製品に対しての関税を高くしてはどうか。で、最終的には日本企業は韓国から全て引き上げてしまえばいいと思います」(外交評論家の加瀬英明氏)>といわせている。

   文在寅大統領は米朝関係を橋渡しし、盧武鉉元大統領を尊敬していることから、なんとなく民主的で親日ではないかというイメージがあった。日韓関係を良好にして、金正恩委員長との首脳会談実現に向けて助力してもらおうと考えていたのに、この仕打ちはないだろうという怒りもあるのだろう。

   また、週刊新潮が書いているように、元徴用工は故人も含めて22万人超、299社の日本企業を「強制労働の戦犯企業」としているから、全員が提訴し、勝訴すれば、計算上は2兆2000億円という途方もない額になる。

   また、朴正煕政権時代、徹底的に弾圧された左派グループの中に文氏もいたので、裁判官になりたかったのになれなかった。その恨みが文にあるから、朴正煕を否定するために、朴が成し遂げた日韓基本条約を潰したい、そのために後先を考えずに突き進んでいるのだと、評論家の室谷克実氏は指摘している。

   一度は決着したと思われた慰安婦問題、今回の徴用工問題、もっと大きな枠組みでいえば、戦後補償の問題が韓国では反日の空気とともに蒸し返される。日本人は韓国からの過去の歴史に関する要求に疲れ果て、もういい加減にしろという思いは、私の中にもあるが、統治していた国の人間と、統治され、理不尽な目に遭ってきた国の人間とでは、受けた傷の深さが違うことも事実である。

   週刊文春に北朝鮮の高官・宋氏のインタビューが掲載されている。インタビュアーはノンフィクション・ライターの常井健一氏。宋氏は81年から対日外交に携わり、2005年以降は外務省で日朝国交正常化交渉担当大使を務めている。

   宋氏は今の日韓関係の悪化について、「それは、人民の心に残るわだかまりを、きれいに解消しなかったからだ」として、日朝関係正常化ができるとすれば、<「日本はわが国に対し、過去の植民地支配に対する謝罪と賠償をすべきです」>というが、日本側からのお詫びに心がこもっていると納得できれば、カネはもらわなくてもいいという。

   だが、<「日本政府が南朝鮮に渡したのは、『賠償金』ではありません。両国の政治家が米国にそそのかされる形で、料亭で密約を結ぶようなやり方で、無償三億ドル、有償二億ドルという額の『経済支援』を決めました」>ともいう。

   それで多くの日本人は、南朝鮮は日本のカネで経済発展をしたと考えているだろうが、南朝鮮の人民にはそういう認識はないし、むしろ今も、「賠償金をきちんともらっていない」と思っていると指摘する。

   中国も日本から1銭の賠償金ももらっていないが、政府開発援助として円借款を受け続けてきた。先日、菅官房長官が円借款を終了すると発表した。宋氏は、<「これから先、中国は日本に賠償金を請求するかもしれない、と私は見ています」>と語る。

   南北朝鮮の人たちの心に残した深い傷跡に思いを致すことなく、「だからあいつらは」と軽々に口にしてはいけない。私はそうも考える。

首相も防衛相にも隠す自衛隊スパイ部署「別班」都内のアジトに潜んで外国や野党の情報収集

   週刊現代から1本紹介しよう。週刊現代によれば、自衛隊の中に「別班」という組織があるそうだ。この組織が明るみに出たのは古く、1973年に韓国の金大中氏が飯田橋のホテルから拉致されたときに、こうした組織があるといわれたらしい。金大中事件から1年半後に、共産党の松本善明衆議院議員の家に、この組織の人間から内部告発が届く。そこにはこう書かれていたという。

   「内島二佐が別班長で、私達二十四名がその部下になっています。私達はアメリカの陸軍第五〇〇部隊と一緒に座間キャンプの中で仕事をしています。全員私服で仕事をしています。仕事の内容は、共産圏諸国の情報を取ること、共産党を始め野党の情報をとることの二つです」

   共産党の機関紙「赤旗」が取材し、名簿などを手に入れ、実態の解明に動いたそうだが、防衛省は一貫してその存在を否定し続けてきた。

   共同通信編集委員の石井暁氏は別班を取材して、この組織は現在も防衛省の中に存在するという。偽の看板をつけ、数人のスタッフがいる。別班の隊員たちが出勤するのは、渋谷や池袋、品川のマンションにある「アジト」だ。そこを根城にして、北朝鮮情報や外国からの旅行者を買収して、外国の情報を収集しているというのである。

   IT時代に、ずいぶん古めかしい手法で情報を取っているものだ。偽名、自宅に表札を出すな、通勤ルートは毎日変えろと細かく指示されるという。

   ここに入る自衛隊員は、同期の中で首席になった者だけが呼び出され、面接を受け、合格すれば「小平学校」へ行けといわれる。そこで心理戦防護過程の中で、情報に関する座学、追跡、張り込み、尾行などの基礎訓練を受けるそうだ。

   旧陸軍の「中野学校」の現代版か。首相も防衛大臣も知らないのに、危険な任務を与えられるのは、明らかに文民統制を逸脱していると石井氏はいう。

   こうした陰謀話は私は好きだが、現代の情報戦は私立探偵のような仕事ではないはずだ。もしこういう組織が今でも蠢いているというのなら、日本が情報戦でいかに遅れているかを示すものではないのか。私はそう思う。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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