2018年 12月 17日 (月)

ゴーン捜査の陣頭指揮・森本特捜部長は超強気!「再逮捕して業務上横領・特別背任で追い込め」

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   ゴーン・ショックの余震が収まらない。ルノー本社のあるフランスだけではなく、世界中のメディアが、逮捕後のゴーン容疑者の動向を注視している。なかでも、長期拘留に対しての批判が多い。アメリカの<「ウォールストリート・ジャーナル」は、こうした扱いは「詐欺や私的金融取引を行った前歴のない世界企業トップにではなく、暴力団の構成員にこそふさわしい>(朝日新聞DIGITAL2018年11月28日)と書いているようだ

   ゴーン逮捕のスクープを報じた朝日新聞でさえ、取り調べに弁護士が立ち会えない、否認し続ければ釈放しない「人質司法」への批判が強まっていると報じている。

   メディア間での温度差の違いも出てきている。検察のリーク情報でゴーン批判を強めている朝日新聞に対して、11月27日の読売新聞朝刊は1面トップで<退任後報酬認めたゴーン容疑者『違法ではない』>と報じた。

   「報酬の開示義務がなくなる退任後に受け取ることにした時点で、過少記載を立証できる」と強調する検察のいい分に対して、<後払い分は日産社内で積み立てられておらず、ゴーン容疑者の退任後、日産に蓄積された利益の中から支払われる予定だった>と確定してはいなかったと、開示義務違反に問えるか疑問を呈した。

   それに対して、朝日新聞(11月29日付)は、やはり1面で、「報酬合意文 秘書室で秘匿」と報じ、「約10億円を退任後に受領するという文書を、毎年、日産と交わしていた」合意文書を特捜部は入手していて、日産秘書室の幹部は「将来の支払いは確定している」と証言していると"反撃"した。

   また、ゴーン氏の逮捕の正当性には疑問があるとする声も、郷原信郎弁護士や古賀茂明氏などから上がっている。

   そうした中、週刊文春と週刊新潮が大特集を組んできた。週刊文春はゴーン追放を仕掛けた日産の「極秘チーム」を実名で報じている。ルノーとの経営統合に舵を切ったゴーンに危機感を持った日産は、ゴーンの不正に関する情報収集を始めた。そのひとりはマレー系英国人で、弁護士資格を持つハリ・ナダ氏。彼は代表取締役になったとき、ゴーンのインド事業の私物化などで、ゴーンのやり方に疑問を持つ。

   リーマンショックなどで減益になったため、ゴーンはインドのホバー社と独占代理店契約を結ぶ。この会社の社長の娘はゴーンの長女と同じ学校で、家族ぐるみの付き合いだった。しかし、売れ行きがよくないために関係が悪化し、6年後の2014年には契約を解除している。

   こうした情報を、彼は菅官房長官とも親しい川口均専務執行役員に届けている。今津英敏監査役は、オランダに設立された子会社「ジーア・キャピタルBV」の資金がバージン諸島に置く孫会社に流れ、ブラジルとレバノンにあるゴーンの高級住宅の購入や改装費に充てられていたことを知る。

   彼らは実行役のO氏を説得して「ある資料」を手に入れる。だが、これを検察に告発すると、O氏やハリ・ナダ氏は法的責任を問われる。そこで元検事の熊田彰英弁護士、名取俊也弁護士に相談した。そして、6月から始まる司法取引制度を利用しようと決まった。

   週刊文春によると、西川廣人社長に調査結果がもたらされたのは8月頃だという。もともとゴーン・チルドレンだった西川社長だったが、ゴーンの私物化のすべてを知らされ、検察の捜査に全面協力する決意を固めたというのである。

   今回の捜査の責任者の森本宏東京地検特捜部長は強気の捜査姿勢で知られるそうだ。<「今後は直近三年分の有報の虚偽記載(約三十億円)で再逮捕し、最大四十日間の拘留期間でさらに調べを進め、業務上横領や特別背任に繋げたい意向です」(検察関係者)>

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   週刊新潮は「20の疑問」という特集。いくつか見てみよう。特別背任が成立すれば、10年以下の懲役か1000万円以下の罰金だが、これがなくても合計約80億円の報酬を記載していないことになり、動機が悪質だと認定されれば、実刑の可能性もあるという。早くも「有罪」認定である。

   レバノンに17億円の豪邸と報じられているが、経済力世界80位のレバノンにそんな豪邸があるのか? という疑問には、元レバノン大使の天木直人氏が、写真を見る限り10億円なら納得できるし、このような豪邸はいくつもあると話している。

   ベルサイユ宮殿で再婚相手との結婚パーティーを催したというが、そんなことは可能なのか。そこは宮殿とは別で、離宮がある大トリアノン宮殿の部屋の一つだという。一般でも利用することはでき、ゴーン夫妻の場合は参加者は120名ぐらいだったから、場所代と食事代を合わせて500万円から600万円ぐらいだそうだ。ゴーン容疑者からすれば、小銭であろう。

   ルノーの大株主であるフランス政府が、これから口を出してくるが、黙らせるには・・・、日産が今後、フランス政府やルノーから干渉されないためには、現在日産が所有しているルノー株15%を25%に買い増すか、両社の関係を従来通り維持し、人事などの重要事項に関しては、お互い干渉しないという覚書を結べという。

   ゴーンの夢は2022年に控えるブラジル大統領選に出馬することだったといわれる。特別背任などで実刑になれば、出馬は不可能だが、仮に灰色無罪、または執行猶予がつけば、出馬の可能性はあるのではないか。これは私の個人的な意見だが。

   大スポンサーである日産に気を使って、テレビはこの事件を扱うのに消極的だが、この逮捕事件にはまだまだ裏があるに違いないと考える。もし、検察が証拠が不十分なのに逮捕・長期拘留して、「自白」を当てにしているとしたら、手ひどいしっぺ返しを世界中から受けることになる。

   検察にのめり込み過ぎる朝日新聞は、いま一度客観的にこの事件を見直したほうがいい。

   それに、ゴーンを検察に売り渡した日産幹部たちの「罪」も、同時に直視すべきである。私はゴーン容疑者が無罪だというのではない。ただ、今のゴーンバッシングはヒステリックに過ぎる。このままでは、韓国、中国に続いて、嫌仏という空気が蔓延しかねない。心配である。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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