<ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生>
正義と悪の魔法使いがはちゃめちゃバトル!派手なアクションの裏に仕掛けられたいくつもの謎解き楽しい
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飛び交う呪文と閃光、吹っ飛ぶ人に壊れる街・・・バトルシーン増し増しで、いやぁ、堪能しました。でもこれ、何の映画だっけ?
主人公はしがない魔法生物学者・ニュートで、魔法界を二分する大紛争への参画を求められるなど、「バトルもの!」という雰囲気がぷんぷん漂う。それもそのはず、追い詰めたはずの稀代の大悪党は早々に逃げられるし、力を失ったはずの能力者はピンピンしているしと、序盤から劣勢がうかがえる状況が続く。
着々と侵略の準備を進める大いなる悪と、後手後手に回りがちな正義の味方。追い詰めているのか、おびき出されているのか、不安になるような綱渡りで一気に引き込まれた。
次作のためのプロローグ?
派手なアクションシーンが続くおかげで飽きはしないのだが、全体の印象としては、大きな物語の「本編」にようやく入り始めたという印象はぬぐえない。グリンデルバルドと親友のダンブルドアの関係、主人公とその兄弟の確執をチラ見せし、素性のわからなかった能力者のルーツを一部だけ明かし、主要人物の裏切りをちりばめるなど、見ているこっちは蛇の生殺しだ。
また、その愛らしさで、人間界での魔法生物としての地位を上げた「ニフラー」は、さらにあざとい「ベイビーニフラー」になり、ジャパニーズ妖怪らしい「河童」も登場する。この大変おどろおどろしいビジュアルで、こちらも満足。
ほかにも、「この苗字はあのキャラの先祖か!」とファンにはたまらないサービスもそこかしこに見受けられるのがうれしい。
原作未読、前作未鑑賞の観客にとっては、謎がかなり残る映画かも。ハマってしまえば、回収されていない伏線も、小出しにされるヒントも、まだまだこの世界の続編があるという喜びと期待を抱かせるのだけれどなあ。
ばんふう
おススメ度☆☆☆