2019年 11月 18日 (月)

<ブラック・クランズマン>
白人至上主義「KKK」に黒人警察官が潜入捜査!?ウソのような実話・・・白人刑事と組んで2人1役

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(C)2018 FOCUS FEATURES LLC, ALL RIGHTS RESERVED.
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   黒人刑事が白人至上主義を掲げる過激差別団体<KKK>に潜入捜査するというウソみたいな本当の話を映画化した。監督は「ドウ・ザ・ライト・シング」や「マルコムX」など、多くのブラックムービーの名作を生み出してきたスパイク・リー。主演は、デンゼル・ワシントンの息子のジョン・デヴィッド・ワシントンである。

   1970年代半ば、アメリカ・コロラド州コロラド・スピリングスで、唯一の黒人警察官で潜入捜査員であるロン・ストールワース(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、新聞にKKKの募集広告を見つけた。白人のフリをして電話をかけ、黒人への差別を連発して会う約束まで取り付ける。

   呆気にとられる同僚たちに、「俺は電話担当。白人刑事を別に用意し、彼が連中と会う」というとんでもないアイデアを提案する。「白人のロン」に同じ部署の白人刑事フリップ・ジマーマン(アダム・ドライバー)を仕立て、2人はKKKの潜入捜査を始める。そして、黒人運動家の爆殺計画をつかむ。

差別側の愚劣、卑劣、滑稽を笑いのめす痛快

   映画は「風と共に去りぬ」のワンシーンから始まる。南北戦争で焼き尽くされたアトランタの街で、主人公スカーレット・オハラは「南部を救いたまえ」と神に祈る。「風と共に去りぬ」は、日本では戦争に翻弄された女性を描いた名作という印象が強いが、奴隷制度を支持していた南部連合側の視点で描かれているため、アメリカでは奴隷制度を正当化しているという批判が根強い。

   そこからシーンが替わると、今度はボーリガード博士なる人物が人種隔離を違憲とした1950年代の最高裁判決を、「白人への攻撃だ」と主張している。ボーリガード博士を演じているのはアレック・ボールドウィンで、トランプ大統領のモノマネで有名な人物だ。

   黒人への差別性を含む映画のシーンを引用し、ボールドウィンが白人第一主義の主張をするというオープニングに、強烈な皮肉が込められている。そもそも、この映画はブラックユーモアに満ちていて、黒人のキャラクターたちがファンキーな音楽に乗って白人至上主義者たちの愚劣、卑劣、滑稽を笑いのめすというブラックスプロイテーション的な痛快さがある。

   加えて、原作にはなかった相棒のフリップがユダヤ人という設定は、人種の壁を越えて差別に打ち勝つという、スケールの大きな大団円に繋がった。しかし、映画はそれで終わらない。突然、現代に飛び、2017年に白人至上主義者の集会で起きた悲惨な事件を映し出す。差別は終わっていないどころか、トランプ政権により加速していることをまざまざと見せつけて、映画は終わる。

   アメリカの根深い差別についての予備知識のない日本人が十分に楽しむには、いささかハードルが高いが、突きつけられた現実を直視し、理解しなくてはいけないという思いに駆られる、力のこもった映画だ。

シャーク野崎

おススメ度☆☆☆☆

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