2020年 11月 26日 (木)

マンモス生き返らせビジネスの異様・・・ゲノム編集で数年後には「限りなくそっくりな象」

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   マンモスが人気だ。あす7日(2019年6月)から日本科学未来館で始まる「マンモス展」には、生々しいマンモスが展示される。1万年前に絶滅したが、地球温暖化で、ロシアの永久凍土に閉じ込められていた冷凍マンモスが見つかるようになった。

   北極海に面したサハ共和国は、冬はマイナス30~40度の世界だが、夏になるとハンターがやってくる。高圧放水で永久凍土を溶かし、マンモスを掘り出すのだ。高値で売れる牙がまず中国市場へ送られる。牙以外はマンモスの復活を目論む各国の研究者に送られる。いいビジネスになっている。

   近畿大学(和歌山)が今年3月(2019年)に、マンモスの細胞から「まだ活動する力を残している核」を発見して大きな話題になった。近大は体細胞クローンの技術を使って、「再生」に挑んできた。今回は非常にいい筋肉組織を得て、大いに期待されたのだったが、DNAが壊れていてダメだった。

   ハーバード大学のジョージ・チャーチ教授は、「ゲノム編集」の技術を使って象のDNAを書き換え、マンモスと多くの共通点を持った象を作ろうとしている。「遅くとも5~10年以内には、マンモス(に似た象)が見られるだろう」という。マンモス復活は、「氷河期パーク」と呼ぶツンドラ再生計画の一環だという。ツンドラをマンモスが闊歩するような草原に戻すことで、地球温暖化から救うという壮大な構想だ。

   マンモスの再生には象の卵子と象を母体に使うが、これに使われる技術で医学に応用できる技術を磨くという目的もあるという。

   武田真一キャスター「厳密には、マンモス復活ではないですよね」

   慶應大の宮田裕章教授「マンモスのような生き物ですね。ある人は、カニカマを食べながらカニを語るようなものだといってましたが、寒冷地で生きられる草食動物ができたら、成功ではないでしょうか」

韓国では死んだペットの犬や猫をクローン

   こうしたクローンの技術はすでに韓国でペット・ビジネスになっていた。可愛がっていたペットが死んで、その皮膚などの細胞を元に、犬なら2か月で誕生だ。費用は約1000万円だが、先進国、産油国などの富裕層を中心に、すでに1400匹以上が誕生していて、日本にもあるといい、注文が絶えないそうだ。

   アメリカでの例だが、20年近く飼って死んだ猫のクローンの飼い主は「この子が亡くなったら、また作ると思う」と話す。チワワは元犬がまだ健在だが、「もう1匹」と頼んだら、5匹生まれて、1匹は里子に出し、子犬4匹と計5匹を飼っていた。

   ちょうど取材の時に犬の出産があった。ナレーションでは「大事をとって帝王切開だった」と伝えたが、産んだ母体がどうなったのかには触れなかった。

   作家の石井光太さんは「母犬のことを無視してビジネスが成り立っているんですね。悪用する者だっているでしょう。ニーズがあるからとはいっても、ルールや倫理が先に来るべきだろうと思います」と話す。

   高山哲哉アナが、クローンにはこんなものもあると、特異な例を2つあげた。アメリカ競馬の名馬で、去勢馬だったため、クローンで17頭を作ったという。もうひとつは中国で、優秀な警察犬のクローンを作った。

   マンモスを復活させるのはロマンかもしれないが、技術的に可能になったとしても、最後は象を使わないといけない。石井さんは「マンモスのために象を犠牲にするのでしょうか。もっと議論すべきです」と提起した。

   *NHKクローズアップ現代+(2019年6月5日放送「『マンモス復活』狂騒曲の舞台裏」)

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