2019年 7月 16日 (火)

〈大草原の小さな家 シーズン1〉(NHK BSプレミアム)
学校でのいじめ、所得格差、核家族化による老親の一人暮らし、障害者差別......極めて今日的なテーマ満載のホームドラマの金字塔だ

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   リンカーン大統領がいなかったら、このドラマも生まれなかった!? 安住の地を求めて未開の荒野を開墾するインガルス一家が、襲いかかる苦難を勤勉さと正直さで解決。週末の朝はこのドラマで心の洗濯を。

   アメリカ3大ネットワークの1つNBCが制作、1974年から1984年にかけてパイロット版と全9シーズン全204話が放送された「ホームドラマの金字塔」と言われるドラマだ。日本でもNHK総合で1975年から1991年にかけて、ほぼ全話が放送された。その大人気ドラマが35ミリフィルムから4K変換されたリマスター版となり、28年ぶりにNHKBSプレミアムに帰ってきた。

   今回、NHKはパイロット版をシーズン1の第1話「旅立ち」として6月8日に放送、以後は毎週土曜朝に1話ずつ放送している。実在したインガルス一家の二女、ローラ・エリザベス・インガルスが著わした小説やエッセイを下敷きに、西部開拓時代に懸命に生きた開拓者一家を描いた大河ドラマだ。

   タイトルからして、大自然の中で自給自足の自由な生活をする牧歌的なイメージを抱く視聴者も多いだろう。が、実際はかなり違う。インガルス一家がなぜ、大草原に小さな家を建てて暮らすのか。背景には、奴隷制度の存廃をめぐってアメリカの北部諸州と南部諸州との間に勃発した南北戦争があった。

土曜朝に見れば、きっと幸せな気分で週末を過ごせる

   南北戦争中の1862年、リンカーン大統領は諸州の支持を北軍に集めるため、ホームステッド法を制定した。21歳以上のアメリカ市民に公有地を貸与し、5年以上定住し開墾すれば約65ヘクタールの土地を無償で譲渡するという法律だ。これが北軍の勝利につながると同時に、中西部の開拓も一気に進んだ。

   堅苦しい話はこのくらいにして、本題に入ろう。物語は、インガルス一家がホームステッド法によって安住の地を得ようと、5大湖に接するウィスコンシン州からカンザス州に向けて旅立つところから始まる。ところがカンザス州で入植した土地が先住民居留地だったために追い出され、ミネソタ州のウォルナット・グローブという小さな町の郊外に移り住む。

   父親のチャールズは働き者で、畑の開墾から製材所での手伝いまで、朝暗いうちから夜中まで働き続ける。大工仕事が得意で、たった1人で家を建てる。母親のキャロラインは美人で、家族思いの良妻賢母。長女メアリー、二女ローラ。三女キャリーの3人の娘は仲良しで、両親を尊敬しており聞き分けもいい。現代では「絶滅危惧種」となった絵に描いたような理想の一家だ。

   しかし、半世紀以上前に制作されたこのドラマは、決して古びてはいない。それは、悪徳商人による詐欺まがいの取引や、学校でのイジメ、所得格差、父親の単身赴任(出稼ぎ)、核家族化による老親の一人暮らし、身体障害者差別など、極めて今日的なテーマを扱っているからだ。

   そして、ひとつひとつの問題にインガルス一家全員が正直さと勤勉さで立ち向かい、周囲の人々の善意を味方にして解決していく。その「真っ当さ」がむしろ新鮮で、見る者は心洗われる思いがするのだ。土曜朝にこのドラマを見れば、きっと幸せな気分で週末を過ごせますよ。(土曜日朝8時30分放送)

寒山

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