2019年 10月 20日 (日)

ゴーンは例外?増えてきている被告保釈・・・裁判所も悪弊「人質司法」を見直し

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    6月18日(2019年)の放送中に山形・新潟で強い地震が発生し、速報のためクローズアップ現代+は打ち切りとなり、22日未明に再放送した。

   ※        ※        ※

   日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告の勾留は100日を超え、海外メディアから「人質司法」と批判されたが、この10年は保釈される被告・容疑者は未決囚の14.4%から32.5%に上がっている。

   母親を殴って死亡させた疑いで逮捕された歯科医師とその妻が、無罪判決が出るまでの3年間勾留され、人生が狂った。「暴れる母を止めただけ」と歯科医師は訴え、保釈を求め続けたが認められず、身柄拘束は続いた。1審判決は懲役8年。歯科医師は「本当に怒りしかなかった」と話す。

   起訴後は裁判所に保釈請求が可能になる。請求が認められれば、保釈金を収めて身柄は自由になる。この歯科医師に逃亡の意思はなく、未成年の子供が2人いたが、訴えは認められなかった。

   勾留中は手紙のやり取りも禁止されていたため、無罪の訴えをやり取りすることもままならず、報道機関からの「(母親は)攻撃を伴う認知症の症状のせいではなかったか」という手紙を見たのは無罪になる1年前だった。

   1審は懲役8年、2審で訴えが認められ無罪が言い渡されたが、歯科医師は「身柄を拘束されていなければ、もっと早く(無罪となって)出られた」はずと訴える。歯科医師は勾留中に、勤めていた大学病院を解雇され仕事も失った。

日本保釈支援協会の相談は4倍

   こうした日本の司法制度の問題が海外メディアから問われたのが、100日以上も拘束されたゴーン被告の事件だった。裁判所はこれまで検察の判断を優先する傾向があったが、弁護側の主張を重視し保釈を認めた。保釈を受けて、「こんな判断が定着したら、日本の司法は崩壊する」と話した検察官もいた。しかし、裁判所は「あるべき姿」に立ち返りたいと考えている。

   保釈を求める動きも加速している。保釈の手続きや保釈金の立て替えなどの相談を受けている日本保釈支援協会には、昨年(2018年)1年間に8000件の相談があった。この10年で4倍に増えている。

   ゲストの江川紹子さんは、長期勾留の日本の司法を「人質司法」と批判した。「刑事司法の役割は、無実の罪を作らない、冤罪を出さないことです。ところが、罪状を否認していると外に出ることができない。罪を認めれば出すというところがあり、外に出るために罪を認めてしまうこともあります」と指摘した。

   これに対して、東京地検の元特捜部検事で弁護士の髙井康行さんはこう説明した。「長期勾留には合理的な理由がありました。検察は精密司法といわれたように、裁判に向けて細かい部分まで証拠を固めたい。証拠隠滅の恐れがあるので前広に考えざるを得ない。それで保釈に反対し、それを裁判所が尊重したという背景があります」

野放しになる小林誠のような「悪質保釈者」

   保釈が増えたことで、被告の逃亡も増えている。今年3月(2019年)、200人から出店料を騙し取った詐欺師が保釈後に逃亡し、裁判は中断してしまった。被害にあった飲食店経営者は「なんで保釈を認めたのか、強い憤りを感じる」と話した。放火の罪に問われていた被告が、保釈中に再び放火したケースもある。

   逃亡した被告人・被疑者の身柄確保を担っているのが、東京地検総務部の特別執行課だ。通称「特執」の事務官は10人前後、ときに抵抗する被告もいるので、執行のときは特殊警棒や防弾チョッキで防護する。逃亡中の実刑犯の小林誠の収監にあたったのも検察庁のこうした職員だ。

   高井氏は「保釈後にGPSを身に着けさせる、被害者に保釈を通知するなどしてバランスをとる必要がある」と話した。

   NHKクローズアップ現代+(2019年6月22日再放送「保釈か 勾留か どう考える?日本の司法」)

文   バルバス
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