2019年 7月 18日 (木)

手持ち資金でオーナー社長「個人M&A」成功と失敗はここで決まる

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   後継者不足から廃業を余儀なくされている中小・零細企業を買収して、経営者になるサラリーマンが増えている。IT企業の営業マンとして今も働く宮本秀樹さんが購入したのは、東京・千代田区九段下にあるコピー代行会社だった。金融機関からの融資を受け900万円で購入した。

   近くに大学があり、学生を対象に教材や論文などのコピー代行の需要が多い。売り主の前社長の松崎ヒロ子さんは心配りと笑顔で学生たちに人気だったが、体調が思わしくないため会社を売りに出した。松崎さんには体調の許す限り社員として働いてもらうことにしており、とりあえず黒字経営は維持できそうだ。

   片岡利文ディレクター「会社を買って、いきなり収入アップというわけにはいきませんが、ハイヒール用のアクセサリー販売会社を購入した40代男性は、1年半で売り上げを5倍に拡大し、収入をほぼ倍増したケースもあります」

甘くなかった営業――掛けても掛けても切られる電話

   もちろん、失敗も少なくない。大手メーカーの技術職だった手島武志さん(52)が150万円で買ったのは、フリーペーパー発行会社だった。情報誌を発行して、企業から集めた広告の掲載料で収入を得るビジネスだ。

   毎月の広告収入400万円と計算し、そこから発行経費250万円を差し引いた150万円が利益になる。サラリーマン時代の年収1000万円を上回る1800万円も夢ではないと考え、今年3月(2019年)に購入した。

   ところが、2か月後の5月上旬になっても新規の広告はゼロ。広告を取るために企業に電話しても、たちまち切られる毎日だ。月200万円の赤字が続き、金融機関から借りた運転資金も底をついた。事業を手放し、マッチングサイトで売ることにした。失敗の原因は、営業の経験がなかったこと。電話1本で広告が取れるほど世の中は甘くない。

3つのカギ「経験ノウハウ」「人材活用」「本気度」

   各都道府県には、後継者がいない中小・小規模事業者の事業をM&Aによって他の企業や個人に譲渡するのを手助ける「事業引き継ぎ支援センター」がある。

   センターを取材した作家の石井光太氏は「地方の場合、高齢化や少子化で個人事業主の事業が成り立たなくなり、買ってほしいと売りに出すケースがほとんどです。買う方もなんの計画もなしに安いから買うが、うまくいかないケースがほとんどだと聞きました」

   武田真一キャスター「自分自身がリスクを負うのはもちろん、その会社の価値をどう判断するか、覚悟が必要なんですよね。サラリーマンが個人M&Aでどんな点に気を付ける必要がありますか」

   片岡ディレクターが指摘したのは次の3つだった。「第1はサラリーマン時代に培ったノウハウや人脈を生かせる、勝手知った分野の事業。第2は客の大半は前の社長とか社員についているので、そういう人材をうまく引き継いで活用することが大事。第3は本当にやってみたい事業かどうか。でないと、長くは頑張れません」

   一国一城の主として成功するのは簡単ではない。

*NHKクローズアップ現代+(2019年6月26日放送「サラリーマンが会社を買う!個人M&Aで逆転人生?」

文   モンブラン
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