2019年 12月 9日 (月)

「九州南部豪雨」ほとんどの人が逃げなかった鹿児島全市避難!エリア広すぎて危機感伝わらず

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   九州を襲った記録的な大雨で、鹿児島市は市内全域の住民59万人に避難指示を出した。しかし、ネットには「どこに避難すればいいんだ」「仕事休めるかと言えば、ノーだよ」などの声も少なくなかった。鹿児島市の担当者は「危ないと思った人は避難してほしいということで、市民一人ひとりに危機感を持ってほしかった」と話す。

   妊娠9か月の女性は、2歳の子どもを連れて大雨の中を避難所についたときには、すでに人がいっぱいで入れなかった。別の避難所に回ったが、崖の近くで安心できず、「ここよりは」と、結局、自宅に戻った。

   人があふれる避難所に入るのをあきらめて、車の中で寝た人もいる。避難所の状態までは「情報が入ってきません」とこの人は話していた。

「油断していて、雨が一番強いときに動いてしまった」

   18人のお年寄りがいるグループホームの担当者には難しい選択だった。いっぺんに動かせないうえに、全員が認知症。何人かずつに分けて避難するうちに、いつもとは違う症状が出る可能性もある。「避難指示はわかっていたが、いかに落ち着いてもらうかが一番大変でした」という。ホームの場所が川や崖から離れていることも考えて、動かないことにした。

   共働きで、自宅に小学生と中学生の子どもをおいて職場にいた女性は、子どもたちに電話したときは「避難のことを深く考えてはいませんでした。自宅が水につかることはないと思っていたので、そう言ってしまいました」と話す。

   しかし、雨が降り続くとともに心配になり、自宅に戻ったときには近くの川の水位が上がっており、夫と合流して避難を始めた。「結局、雨が一番強い時間帯に動いていました。こわかった」という。

専門家「普段からハザードマップで自宅の危険知っておく」

   京都大学防災研究所の中北英一教授は、大量の雨が長時間降ったことから「もう一撃あれば、大変な災害になっていただろう」と見る。そういう中での「全域避難指示」の意図を、東京大大学院の関谷直也准教授は「全域で災害の危険のある人は避難をということで、(普段から)ハザードマップを見て危険を知っておくことが重要です」と解説する。

   これまでも、自治体の多くで全域避難は疑問視されてきた。鹿児島市の森博幸市長は全域避難について「瞬時に地域を区切って的確な情報を出すのがむずかしかった。大きな自治体のあり方を検討しなければならない」と語った。この全域避難を関谷准教授は「早めに呼びかけたことには意味がある」と評価している。

   鹿児島市での今回の事態は、大雨災害が今後も他の地方もふくめて起こる可能性や、避難メッセージの出し方、「しっかり備えを」(武田キャスター)という教訓を改めて考えさせた。

   *NHKクローズアップ現代+(2019年7月4日放送「記録的大雨"全市避難"で何が起きたのか」)

文   あっちゃん
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