2024年 5月 5日 (日)

吉本興業もかばいきれなくなった宮迫博之!形ばかりの聞き取り調査で白状するわけないギャラ飲み

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   多くの死傷者を出した京都アニメーション爆発火災事件の実行犯の「動機」はいったい何だったのだろう。事件を知った時、私は、NHKの朝ドラ「なつぞら」と何か関係があるのかと思った。ドラマのモデルは日本初の女性アニメーター奥山玲子である。アニメの傑作「ひみつのアッコちゃん」「魔法使いサリー」で作画監督を務めたことで知られる。

   現時点での断片情報を見る限り、ドラマとの関係はなさそうだが、この卑劣犯の動機解明は最優先してもらいたい。亡くなった方たちの無念を思うと、胸ふさがる思いがする。ご冥福をお祈りしたい。

   さて、吉本興業の芸人、宮迫博之が芸能界から引退ということになりそうである。今週のフライデーが、宮迫が半グレで前科3犯の野口和樹被告と一緒に写っている写真を掲載した。写真は2016年7月27日の夜9時過ぎ、高級キャバクラで撮られたそうだ。

   野口が友人たちと大阪・北新地の店を訪れた。奥の個室で仲間と飲んでいた宮迫が、野口の友人の一人を知っていたようで、一緒に乾杯をしようとなり、高級シャンパンを飲んだそうだ。野口は半袖で、上半身に和彫りの入れ墨をしているから、宮迫には見えていたはずだと、目撃していた店の関係者が話している。

   しばらく談笑した後、宮迫が帰る段になり、同席者の一人が宮迫に謝礼を渡していたというのだ。目撃者は5万~10万円ぐらいではないかといっている。こうした芸人やアイドルが一般人と飲み、その謝礼としていくばくかの金銭を受け取ることを「ギャラ飲み」というそうだ。

   その日の少し前に、JR博多駅近くにあるビルの1階で、会社役員らが運搬していた約7億6000万円相当の金塊を、6人組の男たちがアタッシュケースごと強奪する事件が起きていた。この事件の主犯格が野口で、彼は17年5月に逮捕されている。

   宮迫や田村亮らは、詐欺集団の忘年会に出たことが報じられた時も、ギャラはもらっていないといい続けた。吉本は、宮迫は報じられているような額ではないがギャラを受け取っていたと公表したが、実際は100万円という高額な謝礼だったことが判明する。

   そしてこの写真である。宮迫が反社と強いつながりがあったことをいい逃れできなくなったため、吉本は宮迫との契約を解消した。だが、形だけの芸人からの聞き取り調査を何回やっても、反社への闇営業やギャラ飲みを芸人たちが正直に白状するはずはない。

   きのうも書いたように、吉本は反社と付き合ったら即解雇。闇営業やギャラ飲みは一切ダメ。その代わり、健康で人間らしい生活ができる程度のカネは保障するとした「契約書」を、芸人たちと結ぶべきだと思う。

レオパレス「セクハラ」「パワハラ」会社ぐるみか?法務部長「強姦したわけじゃない」

   週刊文春は、施工不良問題で揺れるレオパレスに、今度は、暴力を振う広報部長がいると報じている。高野宏之がその人。社外の弁護士事務所に設置されたコンプライアンス窓口に、高野のセクハラ・パワハラを告発する文書が寄せられたのは16年10月のことだそうだ。

   女性職員は飲み会で膝や手を触られた挙句、帰る時に「泊まらせてくれ」と執拗に迫られた。男性部下に対しては、「死ね」「辞めろ」「臭い」「ここから飛び降りろ」などの暴言を日常的に吐き、「罵倒されながら臀部を2度殴られた」「革靴の爪先で頸部を蹴られた」などの暴言・暴力行為が詳細に記されていたという。

   そのような内部告発がなされたにもかかわらず、国際事業統括部長は外れたものの、社の中枢部署の経営企画部に異動になっただけで、今度のような施工不良が次々に出る渦中に、広報部長に就任したのである。

   レオパレスは創業者支配が色濃い会社で、それらの人間に取り入っていれば、セクハラ、パワハラをやろうともお咎めなしのようだ。週刊文春の取材に対して、山口雅弘法務部長はこういい放ったそうだ。「厳しい指導の延長。彼は優秀だからこそパワハラをする。優秀じゃない方はしません。セクハラも、腿を触るなどよくある話でしょ。皆さんの上司がやっている程度のことですよ。強姦したわけでもない」

   この会社、芯から根腐れしているようである。

   根腐れしているのがここにもいた。横浜DeNAベイスターズの綾部翔(かける)投手(22)である。16年にドラフト5位で入団し、ラミレス監督期待の有望株だそうだ。だが、昨年2月(2018年)に結婚して、長女が生まれたのに、彼の妻が、綾部の女遊びの酷さに呆れ果て、離婚協議の真っ最中だと、週刊文春に告発したのだ。

   行動がおかしいと思って綾部の荷物を調べると、ラブホのレシートや女性とのプリクラが出てきたという。家の寝室にICレコーダーを置いて録音すると、女性を家に連れ込んでSEXしている声まで録れた。以前使っていたスマホから、女性たちと性行為をしている大量の動画が見つかった。たまりかねて、彼女と母親で書かせた「誓約書」には、18人の女性の名前が並び、中には女子高生もいたという。もはや堪忍袋の緒も切れた。

   週刊文春は球団に事実関係の確認を求め、球団側も会見を開き、綾部が未成年の少女との関係を認め、無期限の謹慎処分にすると発表した。当然だろう。

   週刊新潮では、草刈正雄の娘、紅蘭(くらん・29)が、内縁の夫、ラッパーのRYKEYこと、下田ムトアリッキー容疑者(31)の激しいDVを告白している。こっちもすさまじい根腐れぶりである。リッキーは3年前にも紅蘭へのDVで逮捕され、覚せい剤使用も発覚して1年服役している。

   出所後に子どもが生まれたそうだが、なぜ別れなかったのだろう。紅蘭によると、別れ話を切り出すと、「コイツ(子供)を殺してオレも死ぬ」といい出すので、躊躇してできなかったというが、私には女心がわからない。結局また同じことの繰り返しで、再びリッキーは逮捕されてしまう。「出てきても復縁する気はない」というが、父親の草刈もホッとしていることだろう。

週刊新潮「菅原文太伝」面白くなりそう――両親と2~3歳で別れたのが俺の核

   週刊新潮は、雅子皇后に「復権」をもたらした5つの僥倖があると特集している。要は、念願だった皇室外交ができるようになったこと。国民から愛されているという自信を持ったこと。お世話係のトップである西宮幸子女官長が外交官の妻だったこともあり、気が合うこと。美智子皇后が上皇后になって、あのように完璧にやらなければというプレッシャーが取れたことなどがあるというのである。

   そして一番の僥倖は、秋篠宮眞子さんと小室圭との婚約延期問題が出てきて、雅子さんに対する注目度が薄れたことが、彼女の「安静」を取り戻すことに寄与したというのである。

   私は、雅子さんが自信を取り戻したことが、一番大きいと思っている。周囲に期待されていた以上に、皇室外交で重要な役割を果たしたことで、外交官として活躍していた以前のような自分を取り戻すことに成功し、それが精神的にいい方へ出ている。もう大丈夫だと思う。

   週刊新潮で始まった「飢餓俳優 実録 菅原文太伝」が面白くなりそうだ。文太は深作欣二や鈴木則文などの映画監督と多く仕事をしたが、晩年は疎遠になっていたという。彼は「オレは人を信じないというところからスタートしている」と話していた。それは、おやじとおふくろが2~3歳の時に別れてしまったことが核を作ったのかもしれないと、生前語っていたそうだ。

   高倉健とはまた違う、背中で寂しさを表現できる俳優だった。書き手は松田美智子。松田優作の最初のカミさんである。どんなものになるのか楽しみである。

女性差別批判する大新聞!じゃあ、自社の女性役員は何人?読売、朝日、日経もゼロ

   週刊現代はきょう19日発売だ。次は7月29日の月曜日。月3回刊という変則だから、私のように新聞を読んでいる人間ならわかるが、そうでもなければ、いつ買っていいのかわからないだろう。

   週刊をやめたからだろうが、今週の目次を見ても、週刊誌らしい記事はほとんどない。巻頭が相続大特集。いま一つの大特集は「医療ミス 1380の実例」。そのほかも、「日本経済これから10年で起きること」「尾木ママが72歳で『運転免許返納』を決断するまで」「樹木希林と加藤治子が通った鹿児島の『がん民間療法』」と、今週でなくてもいい話ばかり。

   ジャニー喜多川の話も吉本興業も、参議院選についての特集もない。樹木希林が通っていた鹿児島の「UMSオンコロジークリニック」は、樹木の生前もよく書かれたが、健康保険がきかない自由診療だから、治療費が何百万円にもなる。それに、この治療への疑問も、これまでずいぶん書かれてきた。今さら何でやるの?

   その中で唯一読んでみようと思ったのは、「新聞は、できないことばかり書く」という特集。参院選で女性候補が少ない、女性差別ではないかと新聞は書くが、自分のところはどうなんだと、朝日新聞を始め、他の大新聞の組織図を調べ、女性取締役は何人いるのかを見てみた。週刊現代調べによると、読売新聞は11人中0人。毎日新聞も9人中0人。朝日も日経も然り。

   3年以内に朝日新聞に採用された新卒の男女比は男性59%、女性41%。なぜ50%ずつになっていないのか。セクハラも過重労働も、他社を叩くが、自分の社でも同じ事が起きているではないか。要は、「てめえの頭のハエを追え」ということである。

   ごもっともだが、では、週刊現代のいる講談社という会社はどうなのか? 最近は知らないが、私がいた頃は、圧倒的に採用は男が多かった。試験、面接では圧倒的にできるのは女性なのに、最終面接が終わると男性が多くなったのはなぜか。「女性は結婚してすぐ辞めてしまう」「女性には遅くまで残業をさせられない」という、実情とは違う「理由」で女性の数を調整していたのはどこの出版社だったか。

   講談社という会社は、社内も含めて浮気や不倫の多い社に思えたが、女性問題には「寛容」な社風だった。労働時間の多さは、いまさらいうまでもない。新聞から「週刊誌は、できもしないことばかり書く」といわれないようにしないと。(文中敬称略)

   

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中