2020年 2月 25日 (火)

英国 EU離脱!総選挙「保守党圧勝」の本音――どっちでもいいから早く決めてほしい

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   欧州連合(EU)離脱を争点にしたイギリスの総選挙は、離脱をすすめるジョンソン首相率いる保守党が圧勝した。これで、来年1月末(2020年)に離脱が確実になった。3年半前の国民投票で離脱の意思が示されて以来の混乱に決着がつくことになるが、企業にも人々にも「ブレグジット(英国離脱)疲れ」が目立つ。議会が混乱して経済・社会は停滞、離脱派も慎重派も「カネと時間の無駄だ」「もうウンザリだ」とクタクタなのだ。

   イギリスで20年以上も生産を続けてきた千住金属は、6月(2019年)にイギリス工場を閉鎖し、従業員30人を全員解雇してチェコのプラハ郊外に移転した。イギリスがEUにいるうちは加盟国内の人や物の行き来が自由にできたが、離脱すれば貿易関税などがかかり、物流が滞る。「ドーバー海峡で止まっちゃうではすまない。経営者として判断しなければなりませんでした」「たとえEUと合意して離脱しても、その後が不透明です」(村松栄彦・千住金属ヨーロッパ社長)という。

「ドイツやオランダで働く方が賃金高い」移民も逃げ出した

   移民労働者も逃げ出そうとしている。人口の20%が移民のイギリス東部ピーターバラのホテル経営者は、「ドイツやオランダで働く方が賃金をユーロで受けとれて、生活が安定するので、そちらに(人が)流れてしまう」と話した。賃金はポンド払いなので、ユーロに対する為替変動があり、この3年間で10%値下がりした。このホテルの従業員500人の60%が東欧出身だ。

   ポーランド人のヤロスハフ・クチャンスキーさんは、14年前にイギリスに渡り、自動車部品工場などに勤めてきた。EU域内の移動が自由で、イギリス人と同等の待遇も気に入った。しかし、離脱議論が持ち上がると、工場の受注が減り、同僚が解雇された。「不安続きはウンザリだ。ドイツで仕事を見つけることができ、イギリスに未練はない」という。今年9月からはドイツで働き始めた。妻のバーバラさんも「給料もいいし、生活の質が上がりました」と話す。

経済低迷で進出日本企業も撤退

   第一生命経済研究所の主席エコノミスト、田中理さんは、イギリスの経済的魅力の低下を指摘する。「イギリスが迷走している間に、EUが日本やシンガポールと貿易協定を結びました。日本企業からすれば、大陸に移るか、日本から直接輸出してもいい」「イギリスの強さの源泉だったソフトパワー・人材の流出も始まっています」

   NHKの向井麻里ロンドン支局長は「ブレグジット議論はまるで宗教論争で、国内の分断が広がる中で、議論をスムーズに進めるのはむずかしいというのが実感です」と報告した。世論調査では残留が過半数となっていて、総選挙の結果とは大きなズレがある。国内の分断が進むのは避けられそうもない。

   武田真一キャスター「選挙の結果にかかわらず、イギリスはイバラの道が続くと見られます」

   ※NHKクローズアップ現代+(2019年12月12日放送「イギリス総選挙 待ち受けるいばらの道~"ブレグジット疲れ"の先に~」)

文   あっちゃん
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