竹井千代(杉咲花)は、「岡安」に迎えにきた父・テルヲ(トータス松本)を冷たく追い払う。それでも内心は、「一緒に暮らそう」と言われたことが嬉しかった。
同じころ、道頓堀に2年ぶりに「天海一座」が戻って来た。率いるのは須賀廼家千之助(星田英利)だ。17歳になった天海一平(成田凌)は、まだまだ2代目天海天海(あまみてんかい)を名乗るほどの力はないようだ。
再び千代のもとにやってきたテルヲは、今度は「弟のヨシヲの体の具合が悪い」などと言う。千代の心は揺れるが、実は、テルヲの言っていることはみんな嘘だった。借金が返せず、千代に身売りをさせようともくろんでいたのだ。ヨシヲもとっくに家出していた。
真実を知った千代は「2度とうちの前に現れんといて」とテルヲを追い返すが、翌日から「岡安」の周りを借金取りがうろつき、嫌がらせを始めた。追い詰められた千代はテルヲの望み通りにするしかないと諦める。
トラブル続きの「天海一座」千秋楽で、千代は舞台に立つことに
そんなある日、「天海一座」が突然の千秋楽を迎えることになる。客入りが悪かったことが原因だ。千之助が姿を消してしまったことで、主役は急きょ一平が務めることに。しかも幕が開く間際、女型の漆原要二郎(大川良太郎)はギックリ腰になってしまい、一平の案でその代わりは千代が演じることになってしまう。
千代の演技は震えっぱなしでセリフはしどろもどろだったが、それが逆に客の笑いを誘う場面もあり、舞台は無事終わる。
夕方、借金取りがテルヲとともに千代を迎えにきた。荷物まとめていた千代に、お茶子たちは逃げるように言う。最初から千代を逃がすつもりだった女将の岡田シズ(篠原涼子)は、船着き場で待っていた。「これからは自分のために生きますのや」と言うと、シズは千代を送り出した。(NHK総合あさ8時放送)