2024年 5月 8日 (水)

認知症の「先輩」が「後輩」の相談に乗る 「認知症になってもできることがある」と自信

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それでも進む認知機能の低下

   しかし、渡邊さんの認知機能の低下は進む。「日に日にここらへん(頭の一部)の奥が......いろんなボケがある」という。相談室で働ける時間は長くはないと思っている。それでも、渡邊さんは一日でも長く認知症と診断された人と向き合いたいと願う。「同じメッセージを繰り返し語ることでいつかは伝わる」「楽しまないと、なんのために生きとるか分からん。やりたいことをやったらええ。一つでもできたら家族が喜ぶ」との信念がある。

   高橋さんは病院から渡邊さんのサポート役として相談員を務めてほしいと依頼された。

   「認知症ではできんものはできんけどな、できるものはできるんよ」。渡邊さんの言葉だ。

   自身も認知症の母親と暮らす脳科学者の恩蔵絢子さんは「病院で診断を受けるときは何ができないと、ネガティブなことばかり気にするが、母の実像と違うと感じます。自分はこれができるぞといった主体性の感覚を持てば、幸福度が高まるし、活動度も上がる」「また、自転車のように体で覚えた身体的記憶は認知症になっても残りやすい」と指摘する。周囲がその人の主体性を尊重し、やれることを見つけてあげれば、その人らしさを大切に、ともに豊かな時間を作れるということだろうか。

NHKクローズアップ現代+(2020年12 月17日放送「認知症の私が認知症の相談員に」)

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