全面禁止から15年、なぜ今アスベストなの? 珪藻土バスマット、ほとんどが中国産か

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   吸水性・速乾性に優れているということで人気の珪藻(けいそう)土のバスマットやコースターだが、一部の商品から発がん性のあるアスベスト(石綿)が検出されて回収が相次いでいる。回収対象の製品はきょう3日(2021年2月)現在で約390万個にも上る。

   アスベストの輸入や使用が全面禁止されたのは2006年。なぜ15年たった今、検出されることになったのか。 発端は去年(2020年)11月。大阪・貝塚市がふるさと納税の返礼品として扱っていた珪藻土のバスマットやコースターから基準値を超えるアスベストが検出され、およそ2万6000枚を回収することになった。この原因について厚労省は「対象になった商品は、2006年の禁止される前に仕入れた成形版を使用して作られており、そこにアスベストが含まれていた可能性がある」としている。

規制かかっていない国も。輸入製品として入り込んでいる...

   一方、その後、厚労省の要請を受けてメーカーなどが点検した商品のうち、アスベストが検出された商品はほとんどが中国で生産されたものだった。

   アスベスト健康問題に詳しい広瀬弘忠さんは「中国、インド、ベトナムやロシアなど、規制がかかっていないところがかなりある。アスベストという認知がない段階で国内に入りこんでいる危険もあるが、ゼロにするのは難しい。微量なアスベストの場合は税関でも見つけられない」と話す。

   アスベストはかつて、建物の断熱材などおよそ3000種類の製品に使われていて、ピークの1974年には年間37万トンが日本に輸入されていた。しかし2000年代に健康被害が相次いで明らかになり、大きな社会問題になった。

   建設や解体現場で飛び散ったアスベストを吸い込んだ作業員が肺がんや中皮腫などを発症。作業員のほか、作業服を洗濯した家族にまで健康被害が及んだ。10数年たってから発症することも多く、「静かな時限爆弾」とも呼ばれていた。

   近藤サト(フリーアナウンサー)「珪藻土自体は非常に便利な材料です。『珪藻土=アスベストが含まれている』というわけではないと理解しないといけないですね」

   宮崎哲弥(評論家)「対象の商品でも、普通に使っていれば健康被害は考えにくいそうです。折ったり割ったりするとアスベストが空中に飛散する可能性があるのに、気を付けた方がいい。自分で廃棄せず、回収してもらった方がいいです」

   MCの加藤浩次「家で使っている人は回収してもらうなど、よく調べてください」

文   ピノコ| 似顔絵 池田マコト
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