2024年 4月 27日 (土)

三浦春馬 間もなく一周忌と映画「太陽の子」公開なのに...『納骨』できない母親のあるわだかまり――ほか3編

「酒卸すな」「カネ貸すな」飲み屋と酒屋と酒飲みの怒り買った下戸の菅首相!「俺は知らなかった」とは白々しい

   このところ腹の立つことが多い。IOCのバッハ会長が橋本聖子組織委会長と会った際、「最も大事なのは日本の国民」というべきところを中国といったという。バッカ会長と改名すべきだ。

   大谷翔平のオールスターでの活躍は目を見張るものがあった。だが、スポーツ専門チャンネルESPNのコメンテーターが「大谷は英語を話せ」といった。人種差別だと批判が広がり謝ったが、コヤツに野茂英雄の言葉を教えてやれ。野茂が訪米するとき、記者から「英語を話せなくて大丈夫か」と聞かれ、「僕は野球をしに行くので、英語を話しに行くわけではない」といった。

   そんな怒りを一気に鎮めてくれ、笑わせてくれる歌がある。諸兄はとうにご存じだろうが、YouTubeの「やるんか東京」がそれだ。「自粛時間に耐え抜いた 国民の努力が花開く頃 観客の波と共に訪れる コロナの気配に振り向けば またまた広がる感染者 やるんか東京 やるんかオリパラ そのあと知らんで コロナがどうなるか」

   日本には珍しく風刺のきいた歌だ。菅首相が聞いたら頭を抱えるだろうな。

   さて、日本中の酒呑みたちの怒りを買ってしまったのが、西村康稔経済再生相である。 7月8日に4度目の緊急事態宣言を発令した時、休業要請に応じない飲食店に対して、金融機関から融資をしないなどの圧力をかけてもらう主旨のことをいったのである。

   しかし、週刊文春によれば、8日には酒類の販売業者団体に内閣官房新型コロナウイルス感染対策推進室と国税庁酒税課の連名で、「酒類の提供停止を伴う休業要請等に応じない飲食店との酒類の販売停止について」という文書が出ていたというのだから、西村個人の単なる思い付きではなく、菅首相も了解していたことは間違いない。

   西村は常々、「感染拡大を防ぐためにとにかく酒の提供を止めなければならない」と主張していたという。先の文書も、国税庁は「無理だ」という認識だったのに、西村が激怒して「取引停止」という強い文言を入れざるを得なかったそうである。反発が広がり、あわてて謝罪したが、野党からは大臣を辞任せよという要求も出てきたため、菅首相は、自分は承知していなかったと火消しに大わらわだが、下戸で酒飲みの恐ろしさを知らない首相の限界である。

   なぜ、それほどまでに酒を呑むことを憎むのだろう。居酒屋でコロナに感染するよりも、家庭で感染する率のほうがはるかに高いというエビデンスを無視してまで、酒を悪者にしたいのはなぜか。西村は過去に酒で大失敗したことがあり、以来、酒を憎むようになったのではないかと考えたくもなる。彼は将来、首相の座を狙っているといわれるそうだが、酒呑みを敵にしたら可能性はゼロだ。

   いいことを教えてあげよう。緊急事態宣言下でも、ひとり酒だけは認めることにしなさい。本当の酒好きはひとり静かに呑むのが好きなんだ。そうすれば、店も酒呑みも両方喜ぶ。「善政」とはそういうことだ。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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