「平均的な中高年が重症化」 専門家が「あさチャン!」に語ったコロナ現状

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   新型コロナウイルスの感染者がきのう8日(2021年8月)も東京都で4066人と5日連続で4000人を超え、全国でも1万4470人と、増え続けている。感染力が強いと言われるデルタ株の影響とみられ、百貨店やマックの中にも休業に追い込まれる店が出るなど生活インフラにも影響が広がり、都内で2万人に迫る自宅療養者では第5波で初の死者も出た。「医療崩壊」直前の現場を「あさチャン!」が追った。

  • 医療現場への負担が増している
    医療現場への負担が増している
  • 医療現場への負担が増している

都内で「自宅療養中に死亡」

   横浜市の横浜労災病院では、22床から32床に増やしたコロナ病床があっという間に埋まり、一昨日には受け入れ不能に。救急災害医療部長は、「熱中症もあって一般病床の急患が非常に増えている。コロナの急増が重なり、一般的な医療全体に影響が出て、かなり厳しい状況です。神奈川県内はほとんどそういう状況になってきています」。

   埼玉医科大学総合医療センターでは、臨時のICUを2床増やして6床にしたが、満床が続く。中等症の病床を22から32床に増やしたが、1週間たたずにほぼ埋まった。その要因はデルタ株だ。1週間前に、患者のほぼすべてがデルタ株に置き換わった。同センターの岡秀昭教授は、「平均的な中高年の方が重症化している。数日で呼吸が悪くなる人も」。

   英国保健当局は、デルタ株に感染した人の感染力は、2回ワクチン接種後も変わらない可能性があると指摘する。都内では第5波で初めて、自宅療養中の死亡者が確認された。50代女性が自宅療養4日目の今月5日、容態が急変、病院に運ばれたが死亡した。

生活インフラに「危機が迫っている」

   番組は、高熱が続いても入院できず、自宅療養を余儀なくされた30代女性に話を聞いた。「体温38.5度で、首もしびれ頭痛もするし、薬も切れた。打つ手がなくて、放置されている状況の怖さがある」。発熱の10日後、パルスオキシメーターの数値が94に突然下がり、入院できた。10日間で退院したが、息切れなどが続き、今も仕事に復帰できない。こうした在宅療養患者の「命綱」が訪問医療だ。「ひなた在宅クリニック山王」の田代和馬院長は、「このまま感染拡大が続けば、訪問診療がパンクするのも時間の問題だ」という。

   産経新聞によると、西村康稔・経済再生担当相は「これまでクラスターがほとんどなかった百貨店や理美容院、学習塾などでも発生している」。スタッフの感染による休業が、スターバックス25店、マクドナルド177店(7月)、郵便局123局に広がっている。コメンテーターの堤伸輔・元フォーサイト編集長は、「生活インフラに危機が迫っている。これが、スーパーやコンビニ、食糧の運送に広がったらどうなるか」。

   いま南米ペルーなど29カ国で猛威を振るう「ラムダ株」も先月20日、日本で初めて確認された。若者に重症化例が多く、ワクチン効果を5分の1に下げる可能性もあるという。

(栄)

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