2024年 4月 27日 (土)

ジャニーズ事務所「メリー喜多川」タレント守るすさまじい執念!週刊現代記者をビビらせた啖呵――ほか5編

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   メリー喜多川(本名・藤島メリー泰子)が亡くなった。享年93。弟・ジャニー喜多川の死から約2年後だった。弟が美少年を発掘し、姉がその子たちをメディアに売り込みアイドルに仕立て上げていった。ジャニーズ事務所はその両輪を失ってしまった。

   元少年隊の東山紀之は、メリーの「私はタレントを守るためなら、いくらでも悪人になります」という言葉を忘れないとメディアに語っている。私が週刊現代の現場にいた頃、ジャニー喜多川の「少年愛」を記事にしたことがあった。メリーを直撃した朝倉喬司記者から聞いた話だが、彼女は彼に、どうしてもそれを書くというのなら、私はここで服を脱いで、「襲われた」と警察に話すといったそうだ。百戦錬磨の朝倉も、「さすがにビビった」といっていた。そのメリーの凄まじい腹の括り方にメディアもひれ伏したのである。

   だが、皮肉なことに、姉弟でつくり上げた「帝国」を崩壊させるきっかけをつくったのもメリーだった。SMAPを育て、慕われていた飯島三智マネージャーを追い出し、その結果、SMAPは解散、今日まで続くタレントたちの大量退所、凋落へとつながっていくのである。メリーの死をきっかけに、60年に及ぶジャニーズというモンスター事務所の実態が解明されることを期待したい。

菅首相はギャンブル依存症!?負けが込むほど強気になって破綻――「GoTo」「オリンピック」「横浜市長選」すべて裏目

   さて、菅首相の命運が尽きるという特集が目につく。週刊ポストと週刊現代が「菅おろし」が始まったと報じている。ポストによれば、7月30日(2021年)に麻生太郎が近くにある安倍晋三の家を訪ねたという。麻生が安倍の私邸を訪ねるときは何かが起こる。2017年9月10日の私邸会談の約2週間後に、安倍が突然、「国難突破解散」と称して解散・総選挙に持ち込んだ。昨年の8月15日には、その約2週間後に安倍は退陣を表明している。

   麻生派の議員は、総裁選の情勢を話し合ったと見ている。2人にとって一番の関心事は、菅の後ろ盾、二階俊博幹事長を引き摺り下ろすことである。8月3日に二階は、9月29日に総裁選が実施されても、「現職が再選される可能性が高い」と、菅が無投票で再選されるという見通しを語った。

   安倍と麻生は以前から、二階を幹事長から外せと菅に求めていたが、意に反して菅は二階に救いを求め、それを力に再選しようと企んでいる。永田町を我が物にしようとする安倍・麻生対二階・菅の暗闘劇は、これから本番を迎えるようだが、週刊文春は、その前に菅の命運が尽きると見ている。

   それが8月22に投開票される横浜市長選だというのである。なぜなら、菅が強力に進めてきた横浜にカジノを誘致するという政策を是とする林文子現市長ではなく、閣僚を辞任して突如出馬を表明し、カジノ誘致反対を掲げる小此木八郎を支持するといい出したからである。菅は小此木の父親の秘書だったが、それだけが理由ではない。「ここで勝てば『選挙の顔』にもなり得ることが証明される」(事務所関係者)という一発大逆転を狙ったからだというのだ。

   そのためには、なりふり構わず、8月3日の党役員会で「小此木をお願いします」と異例の呼びかけをし、横浜市出身の元国交省官僚でゼネコンなどに大きな影響力を持つ鹿島建設の押味至一会長に、和泉洋人首席補佐官が電話を入れ、「小此木をよろしく」と頼んだと文春は報じている。菅事務所総出で選挙運動をしているようだ。

   もっとも、林と小此木に分裂したため、自民党横浜市連は自主投票になり、漁夫の利を得るのが立憲民主党が擁立した山中竹春候補だと見られている。私は、菅という人は「ギャンブル依存症」だと見ている。それもツキが逃げていくのを無視して賭け続ける、老いた"負け犬"ギャンブラーである。コロナ感染拡大を無視して「GoToトラベル」を推し進めた。側近議員でさえ中止、延期したほうがいいと苦言を呈したのを無視して東京五輪を開催。そして今回の市長選である。横浜市長選がどういう結果になっても、私は、菅の命運は尽きると考えている。

   では、ポスト菅は誰か。文春は、菅と麻生が推すのは岸田文雄前政調会長だと見る。人は良さそうだが、頼りないという決定的な弱点はあるが、2人にとって操りやすい人間だからだが、そんな岸田を首相に据えれば「悪夢」でしかなかった安倍政治の再現になる。そんなことを許していいはずはない。

「週刊文春」「週刊新潮」電車の中吊り広告から撤退――カネかけても効果薄く、ホームに売店なし

   週刊文春と週刊新潮が電車の中吊り広告から撤退することが話題だ。中吊り広告の入稿と原稿作りの時間差を理由にしているが、時間差をいえば、新聞広告も同じであろう。要は効果がない、カネもないということである。

   中吊り広告の利点は、満員電車でチラッと見たタイトルが面白そうだと思ったサラリーマンが、電車を降りて、目の前にある駅の売店で買ってくれるところにあった。いまは、大きな駅をのぞいて売店がなくなってしまった。読者は30分もかけてコンビニで週刊誌を買ってはくれない。それは夕刊紙も同じだ。

   中吊りの次は新聞広告がなくなるのだろう。不特定多数が見てくれる中吊りと違って、新聞の読者しか見てくれない広告が切られるのは、案外早いのではないか。私がいた頃の週刊現代は、主要都市の電車、地下鉄に中吊り、北海道から沖縄までほとんどの新聞に広告を掲載していた。当時の宣伝の人間から聞いた話では、その費用は月額1億円にもなったという。ふた昔前の話である。

コロナワクチン3回目打つべきか?ファイザー製は2か月に6%ずつ効果低下しブレイクスルー感染

   コロナ感染はもはや「爆発」といってもいいレベルになっている。さらに深刻なのは、2回のワクチン接種を終えても感染するブレイクスルー感染が増えていることである。欧米やイスラエルでは3回目の接種を始めたところもあるが、日本ではいまだに1回目の接種さえしていない人が多くいる。菅首相や河野太郎担当相は、今年の10月から11月までには希望者全員に接種を終えるというが、まともに信じている人間はほとんどいない。

   週刊文春で杉並区の広報課が、接種が遅れているのは国からの供給がないからだ、「杉並区は五十七万人いるのに、九月分として供給されるのが約三万回分だけ」だと話している。

   週刊現代は「ワクチンの効果はいつまで続くか」という特集をやっている。7月初旬、アメリカのマサチューセッツ州バーンスタブル郡で大きなクラスターが発生した。感染者は469人。そのうちの346人は規定回数のワクチン接種を受けていたことが判明、衝撃を与えた。アメリカ疾病対策センターは7月19日、ワクチン接種下にもかかわらず、入院・死亡したケースが5914例あったと公表している。

   ワクチン接種が進んでいるイスラエルでは、5月に94%あった予防効果が、6月には64%に急落したと保健省が発表した。ファイザーのワクチンは2回目接種時点では予防効果が96%あるそうだが、2か月ごとに約6%ずつ効果が下がるといわれている。その上、デルタ株のように感染力の強い変異株が広がっているから、さらに効果は下がると見ていいだろう。

   3回目も打つべきだという声が広がっているが、WHOは低所得国のワクチン接種を優先して、3回目は控えるべきだといっている。河野は<すでに来年の三回目接種のワクチンを確保したと明らかにした>(週刊文春)というが、これもその場しのぎのブラフではないのか。嘘つき菅首相、河野太郎担当相、厚生労働省の話なんかまともに聞いていると、この国は変異株大国になりかねない。

デパ地下クラスターで周辺商店も戦々恐々「地下道でつながってるからこっちにも来る」

   私は、デパ地下の食料品売り場を見て歩くのが好きで、週に1回は行っている。このところ、そこでクラスターが頻発していて、閉鎖したり入場制限しているところが増えてきた。なかでも従業員145人もの感染者を出した阪神百貨店梅田本店の食品売り場は、混乱の最中にある。週刊現代がそこを訪れてルポしている。

   7月26日に従業員3人の感染が確認されたが、あっという間に150人近くが感染、そのほとんどの人間が食品を扱うフロアーに勤務していた。現代が出かけた8月10日時点で食品売り場は閉鎖されていた。感染対策は万全にやっていたというし、保健所の職員もなぜ感染が広がったのかは、まだ分からないといっている。

   秋の百貨店のリニューアルに向けて食品売り場では改修工事が行われていて、店内はかなり狭く、老朽化していたため換気も悪い。そこに多くの買い物客が詰め掛けたため、客から感染したのではないかという見方もあるようだ。ワクチン接種を申し込んでいるのだが、割り当て数が送られてこないため、従業員たちのほとんどがまだ接種を受けていない。

   この百貨店は、阪神梅田駅の改札からすぐに入れるため、兵庫や奈良からも買い物客が訪れる。梅田地下街の雑貨屋の店主は、「阪神さんで感染者が出たら、地続きになっている地下街の他の店舗で感染者が出ないわけがない。地下街全域でPCR検査をしたら、とんでもない数字が出ますよ」

   デパ地下の食品売り場にはしばらく近づかないほうがいいかな、寂しいけど。

医療スタッフは怒り心頭だった五輪運営統括・中村英正GDOの愚鈍!熱暑放置して直前に試合時間変更

   もはや記憶の彼方だが、8月6日、東京五輪の女子サッカーの決勝当日の早朝、大会運営全般を統括する中村英正GDOが、想定を超える暑さが原因で、試合時間と場所を変更するというメールを職員たちに送りつけたそうである。カナダとスウェーデンが酷暑を理由に時間の変更を求めたためだった。

   その後、医療スタッフの1人が、「無謀な予定を立て、その変更を直前までしなかった不備を猛省してください」という抗議の一斉メールをしていたと、週刊文春が報じている。昼11時から新国立競技場の予定が、夜9時から、場所も横浜国際総合競技場へと急遽変更されたのだから、スタッフの怒りはもっともである。

   その理由が想定を超える暑さだというのだが、過去5年間、この日の気温は33度から35度で、湿度も80%前後で一定している。当たらない気象予報士でも、試合は夜にしたほうがいいと考えるはずだ。そんなことさえも頭になかった中村を含めた組織委の"愚鈍"なやり方は、責められて当然だろう。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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