焼き肉店立てこもり犯 同級生が「モーニングショー」に語った高校時代の素顔

   東京・代々木の焼き肉店で8日夜起きた立てこもり事件で、監禁の容疑で逮捕された長崎県の荒木秋冬容疑者(28)は、「ムードメーカーで頼りになる人だった」と、高校時代の同級生が明かした。きょう10日(2022年1月)の「モーニングショー」が伝えた。

  • テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」番組サイトより
    テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」番組サイトより
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「最後に焼肉を食べようと思った」

   「高校2年の時に、クラスが一緒で、レスリング部でした」。長崎県の南島原市で9日夜、高校時代の同級生が語った。「ムードメーカーみたいな感じで、頼りになる人でした」。「(友人は)多かったと思います」「学生のころは、保護者を呼ばれて悪いことをした人に謝っていることがあった。(高校は)中退したままだと思う」。

   荒木容疑者が、店に入ったのは午後6時半ごろ。所持金はゼロだった。焼肉を注文し店の酒をラッパ飲み、約6千円分の飲食をした後、女性店員に紙ナプキンを渡した。そこには、「爆弾を起動した。警察に連絡しろ。騒ぐな」と書いてあった。店長を人質にとって立てこもった。3時間後の9日午前零時過ぎ、警視庁の特殊班が閃光弾を投げ入れ、突入。荒木容疑者を確保した。

「最後につかまるか、射殺される前に、焼き肉を食べようと思った」「ホームレス生活の場所から、新宿駅に向かうところ、たまたま看板が目に入った」

   荒木容疑者は、2週間前に実家のある長崎県から上京。新宿中央公園あたりの橋の下で、ホームレス生活を続けていた。

「その間に、生きている意味が見いだせず、もう死にたい。どうすれば死ねるか、と考えた時に、大きな事件を起こしたり、警察に捕まって死刑になればいい、と思った」「犯行の目的は死刑になることで、人を傷つけるためではない」「最近あった、電車内の事件のようにしたかった」

   と人質の店長に話し、昨年10月に京王線で起きた無差別殺人未遂事件に言及したという。

   犯罪心理学者によると、コロナ禍で活動が制限され、社会から孤立する人間が増加。社会に対する不満が高まりやすい状態で、「死刑目的の犯罪」が起きやすいという。

   コメンテーターの玉川徹(テレビ朝日社員)は、「日本は、ますます高度な自己責任社会になっている。自由である代わりに自己責任。若い人は自己責任が当たり前になっている。そういう社会では、自分の所得階層は、自分の能力と親の資産で決まっちゃう。両方ともないとなると、所得階層を上げるのが本当に難しい。将来への希望が生まれにくい。一部の人が、社会のせいだ、と社会に攻撃を加えてくるのは、もしかすると必然かもしれない。社会から退場することを求めている。これじゃ、死刑にはならないが」

(栄)

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