今年だけじゃない? 「猛暑と豪雨ダブルパンチは将来も」の科学的根拠

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   ここ数年、過去の常識を超えた異常な気象災害が続き、今(2022)年の夏も猛暑と豪雨のダブルパンチとなっています。世界でも異常気象が多発していて、地球温暖化の影響がいよいよ身近に迫ってきた危機感を覚えます。

   今週(8月15日~)も不安定な天気が続き、ワイドショーは先週末に列島を直撃した台風8号や、続いて起きた東北や北陸での線状降水帯による豪雨被害を取り上げたほか、異常気象の解説にも時間を割いていました。

  • 暑いし、大雨も多いし…
    暑いし、大雨も多いし…
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偏西風の蛇行

   その中で参考になったのは、(J-CAST)ワイドショー通信簿の「なぜ今夏、こんなに暑くて大雨も? 『温暖化』との関係とは」(16日、テレビ朝日系「モーニングショー」)でした。

   今年の夏がなぜ猛暑となったのか。その一つの原因は、「北極圏の温暖化による偏西風の蛇行」だといいます。

   北極圏では、他の地域と比べ4倍のスピードで気温上昇が進んでいて、今世紀末には平均気温が1985~2014年の平均を3.3度~10度も上回る、とあります。

   北極圏の温暖化がすすむと、→赤道付近との温度差が小さくなる→偏西風の流れが遅くなる→蛇行する、とすべてが連鎖していき、空気の停滞により暑さと豪雨が長く続いてしまうというのです。

   今までのような真っすぐ列島北部を横切るはずの強い偏西風は、今年は弱い流れとなって津軽海峡付近から北海道へと北上、高気圧に跳ね返されて西に曲がり、さらに北上して大きく円を描くようにして南下するという異常な流れになっています。

   記事にはありませんが、解説した三重大学大学院の立花義裕教授は、日本列島はちょうど偏西風の蛇行が起きやすい場所になっていて、今年に限らず将来も起こる可能性は高いと指摘していました。

   番組ではこのほか、英国のテムズ川やドイツのライン川で起きている水枯れなど欧州の干ばつも偏西風の蛇行による現象だということ、日本列島の東北から北海道周辺の海水温の上昇も異常気象を起こす重要な指標だということなど、立花教授が出演者の質問に答えながら長時間にわたって解説していました。

   まるで授業のようでしたが、温室効果ガスの削減が喫緊の課題だという番組の趣旨が、分かりやすく伝わってきました。

   温暖化をくい止めることができるのか、いまだ混とんとしています。今後も極端な異常気象が起きることを前提にして、街づくりなどの対策を抜本的に見直す必要を実感しました。

(コムギ)

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