運転ミス連発の高齢ドライバー運転講習 モーニングショー密着取材で見えた現状

   今年(2022年)5月の道路交通法改正で、75歳以上のドライバーを対象とした運転技能検査が新設された。一定の違反歴がある高齢ドライバーは、技能検査に合格しないと運転免許の更新ができなくなるため、事前に教習所で運転講習を受ける高齢ドライバーも増えているという。今日10日(2022年10月)の「モーニングショー」はこの講習を密着取材し、高齢ドライバーの現状を詳しく伝えた。

  • 違反歴のある高齢ドライバーに運転技能検査が課せられる
    違反歴のある高齢ドライバーに運転技能検査が課せられる
  • 違反歴のある高齢ドライバーに運転技能検査が課せられる

子ども世代は「加害者になってほしくない」

   最初に取材したのは来年春に更新を控えた75歳女性。S字やクランクはなんとかクリアしたが安心したのもつかの間、外周の2車線道路に右折する際、対向車線に入ってしまった。本番では一発で不合格となる反対車線の逆走だ。85歳くらいまでは運転しいというこの女性は「初めての講習参加で緊張しました。普段は配慮しているつもりですが、今日はすっかり飛んでしまいました」と語る。

   車庫入れが苦手という79歳女性は、シート調整の際にアクセルを踏んでしまい盛大に空ぶかし。クランクでは右の後輪が縁石に乗り上げ、車庫入れではバックのギアチェンジがわからずあたふた。車庫入れは何度もやり直し、段差に衝突してしまった。この女性は「車庫入れとクランクダメでした。普段運転するのは駅まで2キロの同じ道」と失敗をあまり気にしていない様子だった。

   同じく車庫入れで後ろの柵に激突してしまった69歳男性は「最近はバック用の画面を見ながら運転することが多い。目で確認しながら運転することがなくなった」と語る。この男性は80歳くらいまでは運転を続けたいというが、男性の妻は「お店から出ようとして自転車とぶつかりそうになった。あと5年くらいで免許を返納してほしい」と語る。

   高齢ドライバーの子ども世代からは「父は実家で運転しているが、昔より反応は遅い。返納してほしいけど不便なのもわかる」「車がないと不便なのはわかるが、加害者にはなってほしくない」などの声が聞かれる。

   この日の講習で目立ったミスがなかった77歳男性ドライバーは、家族から免許の返納を求められているという。「事故が心配。80歳なら80歳と区切り、けじめをつけてもらいたい」という娘さんに対し、男性は「免許が無くなるのが寂しくなる。あわよくば死ぬまで運転」と話し合いは平行線だ。

   運転技能検査ではどの程度の不合格者が出るのか。警察庁が行った実証実験では、22.9%が不合格者という結果がでている。

   石原良純(タレント・気象予報士)「運転歴が長いことは現在の運転技能に関係ない。僕も60歳だがあきらかにわかる。今までが10だったら9くらいになってきている。75歳になった自分が6なのか5なのかわからない」

   山口真由(弁護士)「うちの母は私より運転上手ですが、いつまで運転するんだろう。自立心、自尊心にも関わってくる。より速く、より遠くという価値観自体を変えて、乗り合いなどゆっくりでも移動過程を楽しむよう生活様式を変えていく」

   司会の羽鳥慎一「交通機関が充実している都市部だったらいいけれど、車がないとコンビニにもいけない」

   石原良純「便利な生活に慣れすぎちゃっている。過渡期にさしかかっていて、いろんなものを我慢しなければいけないことがこれからでてくるんじゃないかな」

(みっちゃん)

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