実力派・清原果耶の演技光った「城塚翡翠」 最終話で見せた本性と圧巻の長ゼリフに震えた

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   2022年のドラマは、「真犯人フラグ 真相編」(日本テレビ系、1月~3月放送)の橘一星(佐野勇斗さん)にはじまり、「初恋の悪魔」(日本テレビ系、7月~9月放送)の摘木星砂(松岡茉優さん)、「親愛なる僕へ殺意をこめて」(フジテレビ系、10月~12月放送)の浦島エイジ(山田涼介さん)や雪村京花(門脇麦さん)など、一人のキャラクターの二面性が楽しめるものが目立ったように思う。

   中でも印象に残ったのが、「霊媒探偵・城塚翡翠(じょうづかひすい)」(日本テレビ系)最終話(11月13日放送)での、清原果耶さん演じる城塚翡翠の豹変だった。

  • 清原果耶さん(写真:アフロ)
    清原果耶さん(写真:アフロ)
  • 清原果耶さん(写真:アフロ)

自虐的であざといキャラクター像がひっくり返った

   最終話では、翡翠とバディを組んで事件を推理してきた香月史郎(瀬戸康史さん)が、子供の頃に義理の姉を殺されたと告白。「辛い時には、私がギュってしてあげます」と優しく言った翡翠を史郎がそっと抱きしめてキスするという、「胸キュン」シーンもあった。

   しかし2人で史郎の別荘を訪れてからが本番だった。史郎が翡翠を後ろから抱き締めながら、自身が連続殺人犯「透明な悪魔」で、翡翠も殺害する目的で連れてきたことを明かす。

   翡翠は「せ、先生が、殺した...?」「助けて...助けて...」とうろたえ涙を流してみせたが、椅子に縛り付けられ姉の降霊を頼まれると急に笑い声を上げた。

   そこからは驚きの連続だった。「私が本物の霊媒だって、ずっと信じていらしたんですか?」「私はインチキ霊媒師ですよ」と不敵な表情を見せた翡翠は、これまでの事件は霊視などで解決してきたのではなく、驚異的な頭の回転と推理力で真相を明らかにしてきたのだと、とうとうと不遜に語り続けたのだ。

   それまで翡翠は自虐的であざといとも感じられるキャラクターで、ツイッターなどでは清原さんという実力派の俳優には役不足では、という声も上がっていた。そんな翡翠演じる清原さんが最終話で見せた、今までのキャラクター像を全てひっくり返す演技は痛快だった。ここまでの事件の真相を明かすということで、膨大な量のセリフをマジックまで交えながら流れるように話し続けるのにも心が震えた。

   もちろん清原さんだけでなく、最後の最後に恐怖の殺人鬼の本性をあらわにした史郎役の瀬戸さんの演技も素晴らしかった。そして翡翠の素顔が明らかになった後の、それまで出番が少なかった小芝風花さん演じる千和崎真との喧嘩しながらも仲睦まじいやり取りに癒やされた。なお「最終回」翌週からは「invert 城塚翡翠 倒叙集」が始まった。

   20歳の清原さんをはじめ、冒頭に挙げた佐野勇斗さんは24歳と、若い俳優たちの名演技にうなった1年でもあった。2023年も見ているこちら側の心が躍るような、若手実力派俳優の熱演に期待したい。

(TT)

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