フィリピンの収容所を阿部祐二がリポート 「問題解決できるのか疑問を感じ」た理由

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   連続強盗事件に関与した可能性がある4人の容疑者が収監されているフィリピン・マニラのビクタン収容所を取材していた阿部祐二リポーターが昨日1日(2023年2月)、初めて収容所内の取材を許された。ビクタン収容所は広い施設で、なかには警察関係の施設もあり「ひとつの街みたいになっている」と阿部リポーター。4人の容疑者が収監されている建物はその奥、射撃練習場の近くにあった。ここには17人の日本人が収監されているという。2日の「スッキリ」で伝えた。

   この施設内で容疑者4人はどんな生活をしているのか。関係者は「以前は最上級のVIPルームにいたが今は戻された。前日の抜き打ち検査で、携帯のSIMカードが取られたかもしれない」と話す。この抜き打ちの検査で、携帯電話35台と現金約120万円が押収された。

  • 捜査が続いている(写真はイメージ)
    捜査が続いている(写真はイメージ)
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賄賂が横行

   連続強盗の指示役『ルフィ』の可能性がある4人には特殊詐欺容疑で逮捕状が出ているが、3人は別の事件で追訴されており、ルール上ではその裁判が終わるまで強制送還できないが、レムリヤ法相は1日「4人全員を同時に送還したい」と話している。

   容疑者への金の流れについて、阿部リポーターはスタジオで「詐欺グループ幹部の女が容疑者に2000万円を届けていました。2人はフィリピンで出会い、交際をしていたこともある」と伝えると、司会の加藤浩次は「この女性はすでに逮捕されているんですよね」と確認。 阿部は「フィリピンに7回渡航し、毎回数千万円を持ち出していたようで、2019年に逮捕され、実刑判決を受けています」と解説した。

   この話に経営コンサルタントの坂口孝則は「2000万円は税関で申告していないはずで、だとすると日本側でも抑えられた可能性がある」と指摘したうえで、「私は11年前にフィリピンに滞在したことがあるが、役所に申請を持っていたときに『普通に申請しますか? それともたくさんある書類の先頭に置きますか?』と暗に賄賂を求められた。こうした文化はなかなか変わらないと思った」とコメント。

   フリーアナウンサーの高橋真麻も「フィリピンに行った友人がお金を出したらパトカーが先導してくれた。そういう国だと犯罪もできてしまう。日本だけの問題じゃない」と指摘。

   加藤が「収容所内を抜き打ち捜索していましたが、それまで容疑者たちが何を持っていたかわからなかったということですよね」と驚くと、阿部は「収容所の職員に『やめてくれ。生活できなくなる』と言われました。彼らにとって賄賂をくれる容疑者が仲間で、われわれが敵なんですね。容疑者らは今、隔離されており、これまで自由だったものが不自由になっているが、抜け道はあるのではないかと想像してしまいます」と話した。

   阿部リポーターは「私が29年前に初めてフィリピンで取材した時、小さな子供に手を引かれてトイレに連れていかれました。で、その子がトイレを拭いて手を出してきました。この光景は、先進的なビルが立ち並んだ今も底辺はまったく変わっていないですね。収容所の関係者の給料は2~3万円です。そんな彼らが容疑者から何十万円かもらったらどうなりますか? 問題解決できるのか疑問を感じました」とコメントした。

(バルバス)

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