2024年 5月 19日 (日)

「お客様は神様ではありません」広告 谷原章介「神様じゃなくて、お互い様」と賛同

   酒主義久アナが「あるバス会社の意見広告に賛否の声が上がっています」と伝えたのは、3月に地方紙に掲載されていたというバス会社の広告。6日(2023年4月)の「めざまし8」で、酒主アナは続けて「そこには『お客様は神様ではありません』と書かれています。いったいどういうことなのでしょうか」と切り出した。

   実際にバスやタクシーの営業を経営する会社が経験した事実に基づかないクレーム、「交通カスハラ」。カスハラとは客からの暴行、脅迫や暴言などの迷惑行為「カスタマーハラスメント」の略。

   意見広告を出したバス会社は、ドライバーなどへのカスハラがひどくなったことを受け、新聞に意見広告を載せた。「その苦情、行き過ぎじゃありませんか?」という呼び掛けで始まる文章によるその広告は、「近年、些細なことで理不尽なクレームや過度な要求をするお客様がおられます」と続く。

  • 渋滞中だと…(写真はイメージ)
    渋滞中だと…(写真はイメージ)
  • 渋滞中だと…(写真はイメージ)

フジ解説委員の風間晋「ゆがんだ感覚を修正しないと」

   企業に非がありお詫びする場合もあると書きつつも、「車内外のドライブレコーダーで確認し、非がないことをお伝えしても一方的に攻撃される」ことがあるといいます。さらに「お客様は神様ではありません」「お客様と社員は対等であるべき」「理不尽なクレームや要求には毅然とした対応をとり、場合によっては乗車をお断りいたします」と断固として、企業からのメッセージを伝えたものだった。これがSNSに投稿され、1400万人が閲覧、12万人が「いいね」をつけて話題になった。

   司会の谷原章介は「よっぽどの事情があったのでしょう」とコメント。

   フジテレビ解説委員の風間晋は「当然のこと。この広告は会社と客だけのことではなく、地域社会へ理解を求めるもの」と話す。

   実は、近年カスハラは増加している。エイピーネットワークの西尾晋・主席研究員は「公共交通は市民の足であり、乗車拒否をしにくい面がある。この広告は警鐘を鳴らすということで意味がある」とコメント。

   このバス会社ではたとえばこんな被害を受けた。バスに乗車した高齢男性が降りる際に「お金がない。明日払う」と言って降車。翌日集金に行くと、態度が一変し「そんな金、払えるか!」と杖を振り回して抵抗。バス会社は結局、泣き寝入りしたという。

   カスハラの実態調査によると、迷惑行為の49.7%が「暴言」。「繰り返しのクレーム」が14.8%、「威嚇」が13.1%と続く。また、迷惑行為を受けたことがある従業員は全体の46.6%で、タクシー会社だけでは58.0%、バス会社は54.4%だった。

   タクシー運転手に実体験を聞くと、お酒が入る夜にカスハラ被害は多いという。ドライバー歴10年の運転手は「安全ボードを蹴られる。首をつかまれるなどが多い」、歴26年の運転手は「目的地まで届けたら何でここに連れてきたと金を支払わない。110番通報し、警官が駆けつけると、客は警官とケンカ。最後は札と小銭を投げつけられた」と話す。

   客側にも言い分はあり、「遠回りされるとイラっとすることもある」「目的地を言っても返事もしないとイラっとする」と言う人もあった。

   弁護士の元榮太一郎も「仕事のストレスはあるし、忙しい。ちょっとのことでイラっとすることはある。僕が思うのは、乗った瞬間に道を知らないとカミングアウトする運転手さんで、東京駅に行ってくれと言ってもわからないから案内してくれと言われたことがある。タクシーに乗ってる間にメールを見たりしようと思ってたのに時間を失った気持ちになる。グーグルマップ使ってほしいと思いました」と告白。

   フジテレビ解説委員の風間晋は「お客様は神様ですという言葉が独り歩きしてしまい、勘違いの根っこになってしまった。そんなゆがんだ感覚を修正しないといけない」と指摘。

   谷原が「神様じゃなくて、お互い様と思う気持ちが大事ですよね」と言うと、酒主アナは「谷原さんの『神様じゃなくて、お互い様』。響きました」と大きくうなずいた。

(バルバス)

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