「岸田首相に爆発物」で「選挙のあり方」が変わる?(ZIP!)

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   和歌山県の漁港で15日(2023年4月)に行われた岸田首相の応援演説で爆発物が投げ込まれる事件が起きた。その背景には選挙演説特有の警備の難しさがある。今日17日の「ZIP!」はテロ対策に詳しい公共政策調査会研究センター長の板橋功さんをスタジオに招き、今回の事件を踏まえて今後取るべき対策について詳しい話を聞いた。

   事件当時、木村容疑者と岸田首相の距離は5メートルほどだったが、警備態勢はどうだったのか。

   板橋功さん「もともと現職の総理大臣の警備は厳しいが、今回も人員、配備万全だったと思う。あっという間に退避させ、爆発したときは総理はじめほとんどいなかった。警護としてはやるべきことをしっかりやった。ただ現実にこういう事件が起きているので課題はあった」

  • 選挙のあり方に影響が?(写真はイメージ)
    選挙のあり方に影響が?(写真はイメージ)
  • 選挙のあり方に影響が?(写真はイメージ)

「威圧感」めぐる問題も

   しかし、警備態勢を厳しくすることで、選挙に影響を与えることも考えられるという。

   板橋功さん「問題点があるとしたら、爆発物を持ち込めてしまったところ。金属探知機と手荷物検査をすれば発見できたと思いますけれど、検査されるなら行かないよという人もいますよね。選挙の自由を歪める可能性がある。選挙活動のありかたを見直すガイドラインをつくるべき」

   金属探知機による検査は人手も必要で、出入りができないよう会場を囲まなければいけない。警察官が選挙応援で大量に動員されると威圧感を与え、不快な思いをさせてしまうこともあるという。

   事件からおよそ4時間後、岸田首相は当初の予定通り大分で選挙応援演説を行ったが、こちらでは多くの警察官が動員され、会場では一人一人の手荷物がチェックされるなど厳戒態勢。さらに「ペットボトルをお持ちの方はポケットにしまうかバッグの中にしまってください」と呼びかけている。

   風間俊介(タレント)「政治家のみなさんはものものしい雰囲気を出したくないけど、安全性を考えると、ものものしいほうがいいというジレンマがあるんですか」

   板橋功さん「政治家のみなさんは(観衆の)中に入って握手をしたいとかありますが、それはなかなか守りきれないですよね」

   選挙では、政治家が不特定多数に入っていかなければいけないため、警護が難しくなり、警察が過度に介入することで得票結果に影響することも考えられる。

   ではどうすればいいのか。板橋さんは「演説は屋内で」「ガイドラインの議論を」「選挙のあり方見直しを」の3点を指摘する。

「街頭でやるより屋内の方が出入口が少ないのでそこを警戒すればいい。入り口には金属探知機、手荷物検査をする。2つ目は民主主義の根幹である選挙に介入することになるので、過度な警備は結果を歪める。どこまでが政党側がやり、どこまで警備側がやるのか。しっかり議論すべき。警察の役割というよりは国家公安委員会の役割。最後の選挙の見直しだが、昔と違って簡単に爆発物が作れる時代の選挙は、インターネットを活用した選挙を考える必要がある」

(みっちゃん)

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