日本でラッコ3頭だけに なぜ減った?なぜ増やせない?(ZIP!)

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   ゴールデンウィークに動物園や水族館に出かける人も多いだろうが、水族館の人気者のラッコが、近い将来、国内では見られなくなるかもしれないという。今日28日(2023年4月)のZIP!で、解説担当の菅谷大介アナウンサーが「現在、日本で飼育されていつラッコはわずか3頭。減少の理由は何なのでしょうか」と切り出した。

   福岡市の「マリンワールド海の中道」で人気を集めるラッコの映像が映し出されたが、仰向けに泳ぎ、お腹で貝を割って食べる仕草が愛くるしく、癒される。

  • 愛くるしい仕草で知られる
    愛くるしい仕草で知られる
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アフリカゾウやゴリラも

   ラッコは1982年に初めて日本にやってきて以降、全国の水族館で次々と赤ちゃんが誕生し、1994年には国内で122頭までになっていた。しかし、タンカー事故による重油流出など環境問題で野生の数が減少し、2000年には絶滅危惧種に指定され輸入がストップした。その結果、水族館でも徐々に数が減少し、現在は3頭が残るのみだ。

   マリンワールドでは、一昨年までオスメス2頭を飼育。メス「マナ」の妊娠が確認されていたが、体調悪化で母子ともに死んでしまい、現在はオスの「リロ」だけ。三重県の鳥羽水族館にメス2頭がいるが、リロとの繁殖は近親交配になるため厳しいという。

   国内で見られなくなりそうな動物は、ラッコだけではない。スタジオ出演した動物園経営に詳しい帝京科学大学の佐渡友陽一准教授によると、アフリカゾウやゴリラも危機にあるといい、アフリカゾウはピーク時(1985年)の69頭から21頭に、ゴリラはピーク時(1987年)の49頭から19頭(いずれも2021年の調査)に減っている。

   原因について佐渡友氏は「群れで飼ってこなかったことが大きい」と話す。ゴリラはオスメスで長い間飼育していると兄妹のようになり、夫婦にならないという。「こどもをつくって繁殖させる『累代飼育』の状態にするには、群れで飼育するスペースの確保や繁殖実績を重ねて海外との交流をやっていく必要があります」という。

   金曜パーソナリティー、俳優の奈緒さんは「知らなかったので、驚きです。海外から連れてくるとかはできないんですか」と尋ねたが、佐渡友氏は「増えている状態であればできるでしょうが、実績も施設もなければ出せないとなっちゃいます」

   アメリカなど欧米の動物園では、動物の種類を限定し、しっかりした施設で多数を飼育しているという。運営もNPOやNGOが運営主体で入場料も2000円前後と高めだ。

   日本でも、上野動物園などで「個人サポーター」制度を導入したり、金沢動物園(横浜市)ではクラウドファンディングによる寄付金を募集したりするところも増えているが、問題解決への道は遠い。連休に動物園を訪れたら、こうした問題を子どもたちに考えてもらう機会になるかもしれない。

(コムギ)

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