マイナンバー制度、一気推進のナゼ? 堤未果が指摘する「ショック・ドクトリン」に玉川徹「ありうる」

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   司会の羽鳥慎一が「マイナンバーカードをめぐるトラブルが今、相次いでいます。岸田文雄総理は健康保険証を来年秋に廃止して、マイナ保険証に一本化する方針に変更はないと言っています。マイナンバー政策は混乱に乗じて政策を推し進めるショック・ドクトリンではないかという指摘もあります」と、今日15日(2023年6月)の「モーニングショー」で切り出した。

  • マイナカードでトラブルが相次いでいるが…(写真はイメージ)
    マイナカードでトラブルが相次いでいるが…(写真はイメージ)
  • マイナカードでトラブルが相次いでいるが…(写真はイメージ)

「米国では9.11の後、愛国者法が成立」

   「ショック・ドクトリン」とはカナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインの考えで、テロや災害などによるパニックで国民が茫然自失に陥っている間に、通常なら受け入れられないような過激な政策を推し進める手法。国際ジャーナリストの堤未果さんは著書「堤未果のショック・ドクトリン」の中で、「マイナンバー制度もショック・ドクトリンではないか」と指摘している。

   スタジオゲストで登場した堤さんは「東日本大震災、コロナなど、みんなが不安になっている隙に、普段なら反対が出るような法律を急いでやってしまう。アメリカでは9・11の後に、星条旗が街中に掲げられ、銃の売り上げが急増している中で、愛国者法がたった45日後に成立しました。治安と国民を守るために電話やメールの通信記録や金融情報などに対する捜査権限が強化された。この法律は批判が高まり、2015年に失効している」と指摘する。

   日本では2020年4月7日に緊急事態宣言が発出された際、「この危機をチャンスに転換し、デジタル・ニューディールを進め、一気に加速する。マイナンバーカードのさらなる活用を含めてデジタル化を推進する」という話し合いが行われていた。そして今月2日、マイナンバー法改正案が成立したという流れ。

   堤さんは「パンデミックの隙に個人情報保護を緩めるとか、マイナ保険証などをゴリ押しして、急いで強行しているところがショック・ドクトリンの典型」と話す。

   社会起業家の石山アンジュは「コロナだけではなく、自然災害や戦争が重なり、緊急事態がずっと続いている雰囲気はある。立ち止まれない空気はあるなと思う。ショック・ドクトリンかどうかまではわかりませんが、通年国会にしたり、何でも閣議決定で決まってしまうのではなく、話し合う土壌を見直すタイミングにあると思う」とコメント。

   弁護士の結城東輝は「ショック・ドクトリンは危険なものだと思う。コロナ禍で緊急事態条項を憲法に入れるべきなのではないかという意見にはもっと国民はセンシティブに反応すべきだと思う。混乱期だからこそ権力側ができることを増やしていくときには、本当にそれが必要なものなのか考える必要がある」と話す。

   テレビ朝日の玉川徹は「ジャーナリストの発想と法律家の発想は違うんです。ジャーナリストの発想は、権力は国民を管理監督したがるものであるという性悪説に基づいていろんなことを疑うんです。だから、ショック・ドクトリンに関してもありうると思います。アメリカで起きていることが日本で起こらないとは言えないと思うんです。100歩譲って、今の政治がとても良い政治だとしても、悪意ある政権ができたときにこの制度をどう使うかまで考えてチェックしなければならないということです」と指摘した。

(バルバス)

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