2024年 3月 28日 (木)

「パンダ貸与」に抗議続々 対応に頭痛める「東京都」

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   都立上野動物園でのパンダ借り受けについて、レンタル料やチベット問題への懸念などから東京都や同園に抗議の電話が相次いでいる。だが、借り受けの具体的内容がまだはっきりせず、石原都知事は借り受けを渋っているという複雑な状況。都の担当者は電話への対応に苦慮している。

借り受け渋る知事にも翻弄され

まだパンダの写真が残っている上野動物園の公式サイト
まだパンダの写真が残っている上野動物園の公式サイト

   来日中の中国の胡錦濤国家主席は2008年5月6日、福田康夫首相との非公式夕食会でパンダのつがいを日本に貸与する意向を示した。しかし、東京都の動物園担当者によると、外務省が胡主席の対応に追われていて、連絡してもその具体的情報を聞き出せない。このため、「有償ならいくらになるのか、都の負担割合はどのくらいか、などの基本的なことが分からない」という。

   さらに、都の石原慎太郎知事は、5月2日の定例会見で、「(パンダなんて)いてもいなくてもいいじゃない」「見たけりゃ、いるとこに行って見てくりゃいい」など借り受けに否定的ともとれる発言をした。また、その条件として、「費用対効果を換算して考えればいい」と厳しい見方を示している。

   その一方で、東京都や上野動物園には、借り受けに対する抗議とみられる電話が相次いでいる。「金がかかるのなら、福祉に役立てろ」「チベット弾圧の中国からパンダを借りる必要はない」。動物園には、1日20件ほど、こうした電話がかかってくるという。

   対して、都の動物園担当者は、困惑ぎみだ。

「外務省から情報はありませんし、知事は13日まで休みを取っています。正直、対応に苦慮しているんですよ」

   2頭のつがいがいる神戸市立王子動物園では、支援金として年間1億円余を中国側に支払っている。これに対し、都の担当者は、「神戸では、市がパンダ借り受けに動いていました。今回は、国と国との話ですので、状況が違うと考えています」とより好条件での借り受けに期待を示す。

   とはいえ、石原知事の意向は見えないままだ。「そもそもパンダをいらないのか、検討して良かったならいいのか、確認しようがないんです」(担当者)

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