「国策融資」から「投資ファンド」へ 政策投資銀行生き残れるか

2008/7/11 19:34

   2008年10月の政府系金融機関の再編を控え、民営化される日本政策投資銀行が、従来の「国策融資」から「投資ファンド」への脱皮を探っている。業務内容の転換で生き残りを図るが、このほど発表した08年3月期決算は米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)関連で300億円超の損失を計上するなど民営化に向けた課題は多い。

旭ファイバーグラスやブックオフに「投資」

   政投銀は投資事業の強化を急いでいる。07年9月には旭硝子の断熱材生産・販売子会社、旭ファイバーグラスを買収し、08年3月は古本販売大手ブックオフコーポレーションの株式約15%を取得して筆頭株主になった。

   旭ファイバーは断熱材市場で国内トップ。政投銀は同社の株式公開を目指す。急成長したブックオフは不正経理問題でつまずいたため、政投銀が再建を支援している。ともに政投銀が「民営化後の収益の柱」と位置付ける投資業務の試金石となる案件だ。

   政投銀は政府が保証する債券を発行し、低利で資金を調達してきた。だが、民営化で政府保証が外れ、調達コストの上昇は必至。「収益力向上が至上命題」(幹部)だ。

   従来の政投銀は主に電力や鉄道などのインフラ整備に資金を貸し出してきた。しかし、経営不振に陥った日本航空向けなど「国策」に沿った採算性の低い融資も目立つ。「従来型の融資を圧縮し、高収益の投資事業を拡大」が、政投銀の描く民営化後の青写真だ。

   民間銀行は一般企業の株式を5%までしか保有できないが、政投銀には出資比率の規制はなく、この特色を生かしたい考え。政投銀は、5~7年後の完全民営化時点で投資額を現状の約3倍の5000億円程度に増やし、税引き前利益も約1300億円に倍増させたい計画だ。

(続く)

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