辻仁成「文学のために仕事する編集人、少なくなった」

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   説家でミュージシャンの辻仁成さんが2008年9月20日、自身のオフィシャルサイト内のブログ「愛情路線」で、日本の出版社の「変ぼう」ついて語っている。

   先週末から、フランスでテレビ(3チャンネル)、新聞、雑誌の対応に追われていた辻さん。ル・フィガロ紙の記者ジャン・クロード・ペリエさん、雑誌ミューズで記事を書く作家のステファニー・ジャニコさんらとの話も貴重だったようだ。中でも、ル・モンド紙の取材で、翻訳家でもあるセカッチさんとホテルの中庭で、お茶しながら静かに繰り広げた文学談は特に有意義に感じている。

「日本もかつてはこういう話のできる編集者が大勢いたような気がするけど、みんなどこにいったのだろう」
「昭和の編集者のような豪快で文学のために仕事をしていたような人が少なくなった」

   最近、日本の編集者と交わす話は映画化のことばかりだという。たとえば、ある出版社に出向くと、編集部の壁には映画化された作品のポスターばかりが張ってあり、辻さんは「映画会社か」と思ったそうだ。

   「ぼくは映画も撮るから、批判できないけど・・・そういう時代なんだな、きっと」と嘆き、さらにこう続けている。

「本が売れないのもいけないのか、作家のせいもあるのだろう。
作家が映画とったり、バンド組んでるのも悪いのか(笑)
いや、そうでもしないと息が詰まるんだな。
灰色に支配されてしまいそうなささやかな日本」

    辻仁成さんは1985年、ロックバンド「ECHOES(エコーズ)」のヴォーカリストとしてデビュー。その後、89年には『ピアニシモ』で第13回すばる文学賞を受賞、作家デビューした。『海峡の光』では芥川賞を受賞している。代表作に『白仏』『冷静と情熱のあいだ』『目下の恋人』など。また、映画監督、ミュージシャンとしても活動中だ。

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