「タバコと肺がんはほぼ無関係」 武田邦彦教授発言は暴論なのか

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   原発事故への発言でも知られる武田邦彦中部大教授が、統計データを元にタバコと肺がんはほぼ無関係とブログに書いて、論議になっている。これが本当なら、「健康のため」の増税論議は無意味になってしまうのだが…。

   小宮山洋子厚労相の1箱700円発言をきっかけに、政府内で、タバコ増税について閣内不一致を生むほどの論議になっている。増税の根拠について、小宮山氏は「健康のため」を挙げたが、武田邦彦中部大教授(資源材料工学)が、こうした観点からの増税に異論を差し挟んできた。

「喫煙は減ったのに、肺がんが増えている」

タバコ発言も論議に
タバコ発言も論議に

   武田教授は、自らのブログで2011年9月6日、これまでの「先入観」を否定し、「タバコと肺がんはほぼ無関係」とまで言い切ったのだ。

   ブログでは、国の統計データから、この40年間で、男性の喫煙が8割から4割へと半減し、女性は2割弱で変化がないことを指摘。それにもかかわらず、男性は7倍に、女性は数倍に肺がんが増え、男女合わせれば5倍以上に増えていることから、タバコが肺がんの主要な原因とは言えないとした。

   これに対し、統計から、年齢が上がるほど発がん率が高くなることが分かっているとして、肺がんの増加は、高齢化が主な原因との見方を示した。武田教授は、100年前に比べ、平均寿命が40歳ぐらいから80歳前後にまで伸びていることが大きいとしている。

   そのうえで、武田教授は、タバコには、楽しみや精神的安定などのメリットもあると指摘。酒なども健康に害があるのに、タバコだけ社会的に制限して、値段を上げたり、喫煙者を追放したりするのは誤りだと断じている。

厚労省「調査結果から関係ある」

   こうした武田邦彦教授の主張に対し、厚労省の生活習慣病対策室では、「様々な研究をしている専門家の方がいますので、個別にコメントは出しかねます」と述べるに留まった。

   一般的には、必ずしもタバコのみで肺がんにかかるわけではなく、年齢が上がるにつれて発がん率も上がるのは確かだとした。とはいえ、生活習慣病対策室では、「肺がんとタバコの関係はあり、非喫煙者に比べて肺がんにかかる危険が高いことは分かっています」と話す。

   その調査結果として、国立がん研究センターで1966~82年に、当時の平山雄疫学部長が喫煙の影響を調べたところ、喫煙者は非喫煙者に比べ、男性が4.5倍、女性が2.3倍も発がん率が高かったことを挙げた。また、アメリカのがん協会が82~86年にがん予防研究の調査をしたところ、男性は22.4倍、女性は11.9倍もの高い発がん率を示したとしている。

   厚労省のがん対策推進室でも、「一般的には、肺がんとタバコの関係は深いと言われていて、それが覆ったとは特に聞いていません」と言っており、武田教授の発言は、さらに論議を呼びそうだ。

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