ポリオ「生ワクチン」か「不活性化ワクチン」か 小宮山厚生相と黒岩神奈川知事が対立

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   ポリオ(急性灰白髄炎=小児まひ)の集団予防接種をめぐり、国と神奈川県が対立している。現在使われている「生ワクチン」が危険だとして、接種を控える動きが保護者の間で広がっている中、神奈川県が安全性の高い「不活化ワクチン」の接種を独自に始める方針を打ち出したからだ。

   18日には小宮山洋子厚生労働相と黒岩祐治知事の舌戦にも発展した。子どもの生命にも関わるだけに、保護者の不安が高まりかねない。

保護者は「三者択一」を迫られる

   ポリオは、ポリオウイルスが口から体内に入り、のどや小腸の粘膜で増殖、脊髄(せきずい)の神経などを破壊し、手足にまひがでる。有効な治療法はなく、運動障害などの後遺症が出ることがある。国内では1960年ごろに大流行し、年間1000人単位の患者が出たが、生ワクチンの導入後に患者は激減、1981年以降、国内の自然感染は報告されていない。

   ところが、この生ワクチンは毒性を弱めたウイルスを直接口の中に入れて免疫を作る方式。6週間以上の間隔をあけて2回接種することになっており、免疫効果は高い半面、ごく稀に体内で強毒化し、ポリオを発症する。厚労省によると、生ワクチンの接種で2001~2010年度の間に15人がポリオを発症したと認定されている(100万人に1.4人の割合)。接種した子どもから家族ら周囲に感染する場合もある。

   一方の不活化ワクチンは毒性がなく、発症しない。現状では未承認のため、個人輸入している医療機関で接種することになる。こういう人が近年は増えてきた。そして、厚労省もようやく今年5月、不活化ワクチンについて、早ければ2012年度中(2013年春ごろまで)に導入する考えを示した。

   不活化ワクチンを接種して健康被害が起きても、国内での補償・救済制度は適用されない。1回5000円前後の費用が自己負担で、生ワクチンに比べ免疫効果が弱いため、4回接種する必要があると言い、約2万円かかることになる。つまり、保護者は①リスクがあるが公費で受けられる生ワクチンを接種する、②万一の場合のリスクは自己責任で海外製の不活化ワクチンを自費接種する、③どちらも接種せずに、2013年春を待つ――の三者択一を迫られていることになる。

国内メーカーの国産ワクチン開発を待つ?

   そこに降ってわいたのが神奈川県の方針。14日、不活化ワクチンを県独自で使用することを決めたのだ。むろん、全国初の取り組み。これに対し小宮山厚生労働相は18日の閣議後記者会見で、「未承認ワクチンの接種は、健康被害の救済制度がない。予防接種行政上、望ましくない」と批判。さらに黒岩知事は同日、「国がなんと言おうと、神奈川県は不活化ワクチンを断固実行する」と応酬。今後、他の自治体が神奈川に追随するようなら、国の生ワクチン継続が実質的に大きく揺らぐ可能性もある。

   国は「結果的に全国的に生ワクチンを控える人が出てきて、免疫を持たない人が増加するおそれがある。(不活化ワクチンの承認までは)生ワクチンを接種してほしい」(小宮山厚労相)と呼びかける。確かに、接種率が下がればポリオが流行する恐れがあると、専門家も懸念する。

   しかし、患者団体などはこれまでも、「国が不活化ワクチンを輸入すべきだ」と訴えてきた。同省によると、現在、国内4社が、ジフテリアなどの3種混合ワクチンに不活化ワクチンも加えた国産ワクチンを開発中で、2012年度中にも承認される見通しという。医薬品の安全に詳しいジャーナリストは「厚労省は国内メーカーの不活化ワクチン開発が進まなかったから生ワクチンに固執してきた。2013年春導入の方針は国内メーカーの生産体制が整うのを待つためとも考えられ、製薬産業の利益を優先していると言われかねない」と指摘する。

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