日本市場はオープンといえるのか  実は存在している自動車の非関税障壁

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「どの点で日本市場は閉鎖的なのか」

   TPP(環太平洋パートナーシップ協定)に関連して米国政府が自動車の市場開放を求めたことに、日本自動車工業会の志賀俊之会長が反論したことは記憶に新しい。日本の自動車に対する輸入関税はゼロ、一見すると非関税障壁はまったくないように見えるが、自動車の構造に関わる日本の規制が国際基準と食い違い、日本市場に参入できないケースがある。「ない」と言われる非関税障壁が、実は存在するのだ。

ガス自動車の燃料容器が問題

   ガス自動車の燃料容器の問題がそれだ。日本でガス自動車と言えば、タクシー車両を中心に50年近く使われているLPG(石化ガス)自動車と低公害車として近年登場したCNG(圧縮天然ガス)自動車がある。

   日本ではどちらも主に業務用に使われており、一般の自動車ユーザーからは距離がある存在となる。あまり関心を呼ぶこともないのだが、米国商工会議所や米国自動車部品工業会は2004年から毎年、CNG自動車の燃料タンクに関する規制緩和要望を日本政府に出し続けている。

   自動車に関して国と国とをまたがる通行を支障のないようにするため、国連欧州委員会(UN/ECE)の車両構造基準についての多国間協定が1958年に締結された。簡略するとECE協定、正式には「車両並びに車両への取り付けまたは車両における使用可能な装置および部品に関わる統一的な技術上の要件並びにこれらの要件に基づき行われる認定の相互承認のための条件に関する協定」と呼ぶ。

日本に売り込もうとしても手続きが複雑で成果なし

   日本もこの協定を受け入れているのだが、CNG自動車の構造に関しては、国内法規の整備が進まず宙に浮いている。このため米国部品メーカーが日本にCNG自動車用の燃料容器を売り込もうとしても手続きが複雑で成果につながらない。

   LPG自動車についても同様な指摘がある。高性能なLPG自動車を欧州から輸入しようとすると、本来なら欧州で承認されている構造で、日本でも通行可能なはずなのだが、検査すら受け付けてもらえなかったりするのだ。

   ガス自動車のこうしたトラブルの原因は、自動車の構造基準は国土交通省、一方、ガス自動車の燃料容器は経済産業省が所管する「高圧ガス保安法」で規制されるという国内規制の二重構造にある。

   ガス自動車の燃料容器は自動車の構造装置であるのだが、日本ではプロパンガスのボンベなどと同じ扱いを受ける。ECE協定に基づき承認されていても、高圧ガス保安法に基づく再検査が必要になるし、高圧ガス保安法で基準が定められていないものについては検査不能としてはねられ、日本へ輸入することはできない。

中国、韓国も協定を受け入れ

   1960年代の前半、日本のタクシー事業者がLPG自動車を多用し始めたとき、容器交換によるガス漏れ事故が多発した。安全を確保するため、国土交通省の前身である運輸省は、経済産業省の前身である通商産業省が所管し、容器検査を規定していた高圧保安法をガス自動車の燃料容器にも引用することにし、自動車の構造を規定する「道路運送車両の保安基準」に書き込んだ。

   これが1963年以降、50年近く継続されてきたのだが、TPPへの参加、市場開放を目前にどうにかしなければならなくなってきた。

   日本市場の開放ばかりではない。中国、韓国もECE規則を認め、2011年にCNG自動車、LPG自動車に関する協定を受け入れた。現状で日本は、TPPへの参加どころか、アジアの統一市場からも取り残されようとしている。とくに中国は自動車保有が伸び続ける有望市場で、エネルギー安全保障の観点から自動車用燃料の多角化に前向きだ。日本国内の規制緩和が遅れていることで、本来、輸出できるはずのガス自動車の部品が輸出できなくなることすら考えられる。

   同時にガス容器の安全基準の現局である経済産業省では原子力安全・保安院の解体が、福島原発事故の後始末との関連で目の前に迫っている。市場開放と態勢整備の交渉が水面下で始まりだしている。

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