補助ブレーキはなぜ装備されなかったのか 繰り返されたシンドラー社エレベーター死亡事故

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   「シンドラーエレベータ」製の昇降機でまた死亡事故が起きた。2012年10月31日午後、金沢市内のホテル「アパホテル金沢駅前」で、エレベーターに乗ろうとしたパート清掃員の前多外志子(まえだ・としこ)さん(63)がカゴと扉上部の枠に挟まれ亡くなった。

   シンドラー社のエレベーターをめぐっては2006年、東京都港区内で男子高校生(当時16)が圧死する事故が起きている。二つの事故はいずれも扉が開いたままカゴが上昇したことが原因だ。悲劇はなぜ、繰り返されたのか。

事故機と同型エレベーターは80台稼働中

   新聞報道によると、前多さんは事故当時、帰宅するため同僚と従業員用エレベーターで4階から地下1階に下りようとしていた。扉が開いてカゴに乗り込もうとした際、突然、上昇し始め前多さんは腹ばいに転倒。カゴは前多さんの上半身を乗せたまま上昇し、胸などを扉上部の枠とカゴ床の間に挟まれた。約40分後に救助されたがすでに死亡していたという。

   事故後、東京都内で記者会見したシンドラー社は「事故原因は現時点では分からない。根本原因の解明に努めたい」と話すにとどまった。金沢市建築指導課によると、12年4月に「アパホテル金沢駅前」から提出された「定期検査報告書」には、ホテル内のエレベータ4機(客用3機、従業員用1機)について機械の異常や不具合などは記されていない。

   検査で異常が発見されなかったエレベーターがなぜ、暴走するのか。機械本体の問題なのか、保守管理が問題なのか。

   実は、シンドラー社のエレベーターが関連する事故は2件の死亡事故だけにとどまらない。同社の昇降機のトラブルは国内で頻発しているのだ。

   近年、表面化したものだけでも①2007年5月、東京都杉並区のマンションでエレベーターのワイヤーが一部破断しているのを住民が通報②2007年9月、大阪府堺市の娯楽施設のエレベーターが上昇途中で降下し、一時乗客が閉じ込められた③2007年10月、大阪府の警察署のエレベーターが無人のまま最上階まで上昇し天井に衝突して停止。2日前の定期検査の際は異常ナシ④2010年11月、東京大学柏キャンパスで学生18人が乗ったエレベーターが、扉が開いたまま地下一階に降下。1人軽傷―などがある。

   シンドラー社によると、事故機と同型の1998年製造のエレベーターは国内で80台稼動している。さらに事故機と同型機を含む同社管理のエレベーターは国内約8000台に上り、11月1日以降それらすべての緊急点検を実施するという。

「法規制の抜け穴」が招いた事故

   「男子高校生が死亡した2006年の事故が、教訓となっていないのでは」

   「事故は法規制の抜け穴が招いた」

   金沢での今回の事故をめぐり、11月1日午前の民放各社のワイドショーではこう指摘するコメンテーターが多かった。

   2006年の死亡事故は、国土交通省などの調査結果、エレベーターのブレーキ部分の磨耗によって引き起こされていた。これを受けて同省は建築基準法を改正し、09年以降に設置するエレベーターには通常ブレーキのほか、扉が開いたままカゴが上昇・下降することを防ぐ補助ブレーキの設置を建物所有者に義務付けた。

   ところが、今回の事故機が設置されたのは09年の11年前の1998年。磨耗を検知するセンサーは付けたものの、「二重の安全装置」に当たる補助ブレーキは設置していなかったのだ。国交省は12年度の単年度事業として補助ブレーキを付ける際の助成制度を設けたが、あくまで任意という。09年以前のエレベーターは『既存不適格』という位置づけで、「義務化の対象外」(住宅局建築指導課)と話す。

   事故機の所有者のアパホテル側に「法的義務はないとはいえ、補助ブレーキをなぜつけなかったのか」と質問してみた。担当者は「会社としてのコメントは出しにくい」と話すのみだった。

   国交省によると、09年以前に設置され、補助ブレーキが付いていないエレベーターは現在、日本で約70万台稼動しているという。

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