2024年 4月 23日 (火)

企業へのクレームは有料ツイッターが効く 荷物紛失で会社員がBAに「勝利宣言」

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   企業にクレームを入れたいときはツイッターが有効――そんな事例が英国で話題になっている。

   今でも企業の公式アカウントには苦情を含む利用者からの声が多く寄せられるが、今回の事例で特異なのは「プロモツイート」と呼ばれる有料プログラムを利用してツイートを拡散し、自らの声を強力に企業に届けたという点だ。

「@BritishAirwaysには乗るな。顧客サービスがむちゃくちゃだ」

クレームに対するBAの返信。荷物のタグについている番号を連絡するように求めている
クレームに対するBAの返信。荷物のタグについている番号を連絡するように求めている

   英BBCによると、話題のツイートをしたのは会社員のハッサン・サイードさん。サイードさんの父親がパリからシカゴまでブリティッシュ・エアウェイズ(BA)を利用したが、預けた荷物をBAが紛失。このことにサイードさんが怒り、2013年9月3日(日本時間)朝、BAのアカウントを名指しして、

「@BritishAirwaysには乗るな。顧客サービスがむちゃくちゃだ」

と短いツイートをした。通常のツイートは自らのフォロワー(登録した読者)のタイムライン(視界)にしか表示されないが、プロモツイートはフォロワー以外のタイムラインにも表示されるため、より広く拡散する。

   プロモツイートは、どこの地域のツイッター利用者に対して出稿するかを指定することができ、サイードさんは、ツイートが英国とニューヨークの利用者に対して表示されるように設定した。サイードさんは、

「BAが荷物を見つけるまでツイッターの広告をやめない」

ともツイートしており、完全に戦闘モードだ。

   最初のツイートから6時間後にはソーシャルメディアに関するニュースサイト「マッシャブル」がツイートについて記事化。記事には約7500の「いいね!」がつき、約5800回ツイートされた。さらにツイートが拡散することになった。

   BAのアカウントがツイートに反応したのはさらにその4時間後で、その内容も、

「返信が遅くなり申し訳ございません。ツイッターの運用時間は世界標準時(GMT)の9時から17時までです。荷物の番号をダイレクトメッセージでお送りいただければ調査します」

というもの。ツイッターの運用時間の短さにサイードさんはさらに怒りを募らせたが、その後のツイッター上のやり取りからは、荷物の行方は明らかではない。ただ、BBCによると、BAは「お客様に対してご不便をおかけしたことをお詫びしたい。お客様とはコンタクトを取っており、荷物は本日(9月3日)中に届けられることになっている」とコメントしたという。

「今、CNNからインタビューを受けた」

   なお、サイードさんがプロモツイートを利用した背景には、単に父親の荷物を探す以外にも、ソーシャルメディアで実験するという目的もあったようだ。9月4日朝には、

「今、CNNからインタビューを受けた」

とツイートし、一連のツイートに関連する統計情報を公開した。それによると、かかった費用は1000ドル程度だったようだ。インプレッション(ツイートの表示回数)は76800、エンゲージメント(利用者がツイートに対して「クリック」「お気に入り」「リツイート」「返信」といった行動を起こした回数)は14600だった。

   9月4日午後、サイードさんは、

「目的達成。勝利」

とツイートした。

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