2024年 4月 18日 (木)

羽田「昼間の国際線枠」14年3月に倍増 路線枠めぐるJAL・ANAの熾烈な攻防

   羽田空港の国際線の昼間の発着枠が2014年春から倍増し、利用者にとっては選択肢が大きく広がりそうだ。航空会社から見れば、羽田の枠は「ドル箱」。

   その割り当てをめぐる攻防が山場を迎えている。

13年国内線夏ダイヤの配分ではANAが「完勝」だった

羽田の発着枠は航空会社にとって「ドル箱」だ
羽田の発着枠は航空会社にとって「ドル箱」だ

   今は羽田の欧米路線は早朝・深夜の発着に限られており、年間3万回ある昼間の発着枠も、韓国や香港といった周辺地域向けだ。昼間の路線枠が14年3月から6万回に倍増する予定で、1日あたり40枠が増える。現時点では英国やフランス、インドネシアなど8か国と交渉がまとまっており、昼間にロンドンやパリに向けて出発できることになる。

   40枠のうち20枠が外国航空会社に配分される見通しで、残りの20枠を日本航空(JAL)と全日空(ANA)で分け合う。1枠あたり年に100億円の売上高をもたらすとみられている上、D滑走路建設にともなう新規発着枠の配分は今回が最後だということもあって、争奪戦が本格化している。

   割り当ては国交省が9月末~10月にも決定するとみられるが、公的支援を通じてJALがスピード再上場を果たしたことについて「競争環境のゆがみ」を指摘するANAは、発着枠を多めに配分することで、これを是正すべきだと主張している。

   実際、13年夏ダイヤから増えた国内線の枠では、ANAが「完勝」している。ANAは「経営破たんした事業者は枠の配分を受ける資格がない」と主張し、国交省はこの主張を色濃く反映した原案を有識者会議に提出。有識者会議の委員からは異論が相次いだものの、結局は国交省が押し切る形でJAL3枠に対してANAには8枠が配分された。

   ANA側は今回の国際線の枠についても攻勢を強めており、ANAホールディングス(ANA HD)の伊東信一郎社長は8月8日の定例会見で、

「できればすべて欲しい」

と、全20枠を要求している。

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