2024年 4月 26日 (金)

アビバの「強引な勧誘」に是正指示 どんなやり口だったのか?

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   パソコン教室の「アビバ」を運営しているリンクアカデミーが、消費者が断っているにもかかわらず、しつこく勧誘するなどの特定商取引法違反(迷惑勧誘、迷惑解除妨害)があったとして、近畿経済産業局から是正指示を受けた。

   言葉巧みに、契約を迫ったり解約を妨げたりしていたようだが、いったいどんなやり取りがあったのだろう。

苦情相談や問い合わせ、全国から350件

パソコン教室の「アビバ」は「迷惑勧誘」などで業務改善を指示された(画像は、「アビバ」のホームページ)
パソコン教室の「アビバ」は「迷惑勧誘」などで業務改善を指示された(画像は、「アビバ」のホームページ)

   パソコン教室の「アビバ」は、全国に117か所。テレビCMやウェブサイトなどを見て、同社のフリーダイヤルに電話をかけたりウェブサイトから資料請求や無料体験を申し込んだりした消費者に契約を勧誘している。

   その中で、2010~13年度の4年間に全国から350件の苦情相談や問い合わせが国民生活センターに寄せられ、なかでも大阪府で50件、兵庫県で28件と近畿圏で多かった。

   近畿経済産業局は2014年3月27日、アビバを運営するリンクアカデミーに対して、特定商取引法に基づく業務改善を指示。「消費者の利害が害される恐れがあると認められたため、是正を指示しました。契約については相応に対処(書面の提示など)していましたが、勧誘などで迷惑行為がありました」と説明している。

   特定商取引法は、パソコン教室や語学教室、学習塾などが契約を勧誘する際や契約の解除を妨げるために、事実と違うことを告げることや故意に事実を告げないこと、相手を威迫して困惑させることを禁止している。

   近畿経済産業局によると、アビバは消費者が契約を断っているのに何度も勧誘したり、受講生に対して追加契約を結ぶよう執拗に迫ったりする仕方で迷惑な勧誘をしていた。このほか、消費者が解約を申し出た際にも話をはぐらかして応じないなど、特定商取引法に違反していた。

   いったいどんなやり取りがあったのだろう――。

   ある女性は、ホームページの仕組みなどを教えてくれる講座について話を聞こうと教室に行った際に強引な勧誘を受け、閉口した。

   女性が「あんまり費用をかけないで、自分の知りたいこと、ホームページのことだけを教えて欲しいと思ってるんやけど」と聞くと、社員は料金表のような書面を示して「1年間、45万円くらいで82回」のコースを指差して説明した。

   女性は「こんなに長い間、しかもこんな回数では絶対続きません」「高いから、そんなに払われへんし、無理やわ」と断ったが、社員はそのコースをしつこく勧めた。

   女性は何度も断ったが、まったく聞き入れてもらえず、結局、社員に勧められたコースを契約し、クレジットカードで支払ってしまった。この間、1時間以上。「押せ押せ」の強引な勧誘で、帰れるような雰囲気ではなかったため、女性はすっかり疲れてしまったという。

「う~ん。解約手数料が要るか、経理の者に聞かないとわかりません」

   解約をごねたケースは、こんな具合だった。

   体験入学をした、ある男性は、カウンセラーと呼ばれる女性社員からワードとエクセルを基本としたコースを勧められ、契約することにした。

   しかし、思い直して契約を解約することに。翌日、契約を結んだ女性社員に電話で「受講料が高いので受講を取り消します。解約手数料は要るんですか」と聞いたところ、女性社員は驚いたような声で「え~、解約できるって誰に聞きました」と言った。

   男性が「解約できるんでしょう」と言うと、女性社員はちょっと困ったような声で「う~ん。解約手数料が要るか、要らないか経理の者に聞かないとわかりません。とりあえず、今日の夕方4時にこちらへ来てくれますか」と。

   その男性は、教室に行けばいろいろと言い込められて、結局解約できないのではないかと思い、消費生活センターに相談。消費生活センターが連絡を入れ、解約したそうだ。

   解約をめぐっては、消費者の申し出を聞き入れず、「支払っていけばいいじゃないですか」と言われたケースもあったという。

   パソコンのスキルを高めたい、資格を取りたいというニーズは少なくない。アビバの事例では、「資格を取る近道です」「もう少しステップアップしてみましょうよ」などと契約しているコースの変更を繰り返し提案することもあった。コース変更や複数の講座を受講させることで受講料が多く取れるからとみられる。

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