2024年 4月 18日 (木)

田母神氏、シリア拘束の湯川さんと記念写真 「全く面識がありません」、あえて突き放したのか

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   内戦中のシリアで拘束されたとみられる民間軍事会社「PMC」代表の湯川遥菜さん(42)のFacebookページやブログには、元航空幕僚長で軍事評論家の田母神俊雄氏(66)と一緒に撮った写真が掲載されていた。

   これを受けて田母神氏は2014年8月18日、ツイッターで「何千人かと撮った写真の一枚」で記憶にないと説明した。この内容を巡ってインターネット上では3日経った今も、さまざまな意見が噴出している。

「いつ彼に会ったのかも覚えておりません」

20日のツイートでは湯川さんの安否を気遣った(画像はツイートのスクリーンショット)
20日のツイートでは湯川さんの安否を気遣った(画像はツイートのスクリーンショット)

   湯川さんのブログによれば、写真は2013年末に都内で開かれた政治運動団体の忘年会で撮影されたものだ。田母神氏はこの団体の会長を務めていて、写真の中の2人は微笑みながら握手をしている。

   翌月に会社設立を控えていた湯川さんは営業活動の一環だったのか、この会で政治家を含む多くの人と名刺交換や記念撮影をしたという。

   シリアで拘束されたとみられる日本人が湯川さんである可能性が浮上すると、この写真はすぐに注目を集めた。すると田母神氏は、18日にツイッターを更新。マスコミなどから20回以上問い合わせがあったことを明かした上で、次のようにコメントした。

「彼との写真は私が何千人かと撮った写真の一枚です。いつ彼に会ったのかも覚えておりません」
「私は湯浅氏(編注:湯川氏の誤り)とは全く面識がありませんのでコメントのしようがありません。マスコミの皆さん、よろしく」

   田母神氏は「全く面識がない」とするだけで、ツイートに安否を気遣う言葉などはなかった。そのため田母神氏のアカウントには、

「記念写真撮って面識が無いって言うんですか…へぇ…」
「日本人が拘束されているのですよ。彼を思いやる言葉の一つも出ませんか?」
「ホント頼りがいの無い人だな・・・。志のある人はもうこの人頼りにしたらダメだよ」

などと批判的なコメントがいくつも寄せられた。

   19日には提言型ニュースサイト「BLOGOS」に站谷幸一氏の「シリア邦人拘束事件と馬脚を表した田母神俊雄」という記事も掲載され、站谷氏は

「唖然とするしかない。イスラム過激派に怯えたとは思いたくないが、『自分は無関係だ。マスコミは来ないでくれ』と小役人のようなことを言ったのである」

などと非難した。

記念写真の撮影は日常的

   だがその一方で、田母神氏を擁護する声も少なくない。

   日頃から講演会などを頻繁に行っている田母神氏であれば、多くの人に出会い、写真撮影を求められる機会も多々あるだろうから、「覚えていない」というのが本当のところではないかというわけだ。

   実際、忘年会を行った団体の中心人物であるCS放送「日本文化チャンネル桜」代表の水島総氏は、湯川さんについて

「後にも先にもお会いしたのはこれ1回きりで、彼のことはよく知りません。田母神さんも同じでしょう。正直、ネットで写真を見て、驚いています」

と東京スポーツ(20日付)にコメントしている。

   ただし、湯川さん自身は忘年会の翌月、田母神氏の演説会の手伝いを買って出た際のことをブログで報告している。これが本当であれば、このときにも会っていた可能性はあるが、しっかり認識されるほどの関係を築いていたかは分からない。

   そうした事情を察してか、ネット上には

「明らかにとばっちり受けてる田母神氏に同情せざるを得ない」
「あまたの支持者の一人が海外で拘束されたからといって責任論だされたらたまったものではない」

などといった同情論も出ている。

名前間違えながら「無事帰還のために全力を尽くして欲しい」

   加えて、これ以上湯川さんの身を危険に晒さぬように、あえて無関係と主張するのにとどめていると見る向きもある。田母神氏との写真について、湯川さんを拘束しているとみられるイスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」関係者が認識しているとみられているためだ。

   中には、田母神氏がツイートで「湯浅春菜」「湯浅氏」と名前を間違えていることについても「故意」だと指摘する声まである。

   湯川さんについては、共に行動していたという反体制派組織「イスラム戦線」の地方幹部が20日、「イスラム国」側から生存情報を得たことを明らかにしたという。現在は捕虜の交換を提案するなどして、湯川さんの解放を働きかけているそうだ。

   この報道を受け、田母神氏は再び湯川さんについてツイッターで触れた。

「シリアで拘束された湯浅遥菜さんが無事であるというニュースが流れました。よかったですね。しかし無事に帰国するまでは安心できません。日本政府にも無事帰還のために全力を尽くして欲しいと思います」

   今回のツイートではようやく安否について気づかったものの、名前についてはまだ間違えたままだった。これがネット上指摘されているように、関係性の薄さを強調するため故意に行っているものなのか、単純な誤認なのかは分からない。

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