2024年 4月 26日 (金)

韓国機、無消毒のまま名古屋で発着 「MERS感染」の心配はないのか

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   致死率の高い中東呼吸器症候群(MERS)の感染者が乗った韓国・アシアナ航空の旅客機が、消毒されないまま名古屋でも発着していたことが明らかになった。

   韓国では、2015年6月3日までに、感染者30人のうち2人が死亡し、感染疑いだけで398人にも上る事態になっている。隔離措置も1300人以上が受けていた。

  • 空からの感染も懸念材料に(写真はイメージ)
    空からの感染も懸念材料に(写真はイメージ)
  • 空からの感染も懸念材料に(写真はイメージ)

対応が遅れたのは、韓国国内の事情だった

   そんな中で、日本にもMERSウイルスが侵入するのではないかと懸念されており、今回は、アシアナ航空機の問題が持ち上がった。

   MERSに感染した韓国人の会社員男性(44)が5月26日、ソウル発香港行きのアシアナ航空723便に乗っていたが、この旅客機が翌27日に名古屋にも乗り入れていたことが分かった。

   それは、ソウル発16時50分名古屋着124便と17時50分名古屋発ソウル行き123便の2便だ。

   報道によると、感染者が乗ったという韓国当局からアシアナ航空への通知が遅れたため、この旅客機は、28日未明になってからソウルで消毒作業が行われた。つまり、無消毒のまま名古屋に乗り入れていたということだ。

   通知が遅れたのには、韓国国内の事情があったようだ。

   感染者の会社員男性は、韓国で初めての感染者(68)と同じ病室で感染した患者(76)の息子だったが、韓国は、なぜかこの男性については調査しなかった。男性は5月19日に発熱し、診察した病院は親がMERSに感染したことを知って中国への出張を自粛するよう要請した。ところが、男性は、それを聞き入れずに26日に出国してしまい、香港で検査を受けたものの検疫官には「患者と接触はない」とウソをついた。

   男性を診た病院が保健所へ連絡したのも、なぜか27日になってからだった。

厚労省「感染するリスクは、極めて低い」

   感染者が出国したことを韓国が中国に伝えたのもこの日で、対応が遅れたために中国にもMERSウイルスが侵入してしまった。

   韓国メディアによると、会社員男性が乗ったアシアナ航空機については、搭乗した客室乗務員6人を隔離措置にした。

   とはいえ、客室乗務員が名古屋への乗り入れ便にも搭乗していたことはないのか。もしそうなら、乗客にも感染した疑いが出てくることになる。また、そうでないとしても、無消毒の旅客機が名古屋に乗り入れたことで感染の懸念はないのだろうか。

   アシアナ航空東京支店のマーケティング部では、取材に対し、こう説明する。

「旅客機に搭乗した客室乗務員が、名古屋乗り入れ便にも乗っていた可能性はないはずです。旅客機が香港に到着してからは乗務に就いていない、と連絡があったからです」

   無消毒の旅客機が名古屋に乗り入れたことで乗客が体調不良を訴えていることはないのかなどについては、「報道機関から問い合わせを受け、韓国の本社に内容を確認しているところです」とだけ答えた。

   厚労省の結核感染症課では、検疫所を介してアシアナ航空側に情報請求をしているところだとしたうえで、旅客機乗り入れの影響についてはこう言う。

「MERSは、咳による飛沫を吸うなどの『濃厚接触』があったときに感染のリスクがあります。しかし、人ではなく機体から感染するリスクは、極めて低いと考えられます。今のところ、乗客が体調不良を訴えたという話は聞いていませんし、乗客の追跡調査もその必要はないと思っています」

   ただ、韓国から日本へMERSウイルスが侵入する恐れはあることから、韓国旅行をした日本人に健康相談を呼びかけるなどの対策の徹底を6月1日付で各検疫所に指示したとした。また、日本旅行をする韓国人に今後どう対応するか、関係者間で現在調整しているという。

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