2024年 4月 25日 (木)

週刊文春編集長、3か月の不可解「休養」 春画掲載で「編集上の配慮を欠いた」

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   「コワモテ」で知られる週刊文春に異変が起きている。春画のグラビア記事掲載に「編集上の配慮を欠いた点」があったとして、新谷学編集長(51)が3か月という長期にわたって「休養」することになったのだ。

   新谷氏は記事掲載号の発売前日のメールマガジンで、グラビアの春画について「猥褻というより、その技巧の高さや色使いに見入ってしまいます」と書いており、誌面も春画の芸術的側面を重視した内容になっていた。にもかかわらず「読者の信頼を裏切ることになった」として休養を決めたという。だが、あくまで「休養」であって「人事・処分」ではないといい、様々な面で不可解な、異例の対応だ。

  • 編集長の「休養」の原因になった「『週刊文春』10月8日号」。6ページにわたって3作品を掲載した
    編集長の「休養」の原因になった「『週刊文春』10月8日号」。6ページにわたって3作品を掲載した
  • 編集長の「休養」の原因になった「『週刊文春』10月8日号」。6ページにわたって3作品を掲載した

林真理子氏も連載で春画展の感想を書く

   文藝春秋が2015年10月8日に報道各社に出したコメントは、

「『週刊文春』10月8日号(10月1日発売)に掲載した春画に関するグラビア記事について編集上の配慮を欠いた点があり、読者の皆様の信頼を裏切ることになったと判断いたしました。週刊文春編集長には3か月の間休養し、読者の視線に立って週刊文春を見直し、今後の編集に活かしてもらうことといたしました」

というものだ。この週の号では、「春画入門 空前のブーム到来!」と題して春画に関する特集を組んでいた。春画の基礎知識や「鑑賞術」を紹介する記事のほかに、作家の林真理子氏は、連載「夜ふけのなわとび」の中で、永青文庫で開かれている春画展の感想を「キャプションがとても面白い」と書いた。問題とされたグラビア記事では、6ページにわたって3作品を掲載。喜多川歌麿「歌満くら」では男女がキスをする様子を背後から描くにとどまっているが、歌川国貞の「艶紫娯拾余帖(えんしごじゅうよじょう)」では、男女の性交を局部が分かる形で描写。葛飾北斎の「喜能会之故真通(きのえのこまつ)」では、大ダコが全裸の海女の局部に吸い付いている。

   グラビア記事には、永青文庫理事長でもある細川護煕元首相が「春画を享受するまたとない機会」と題して春画展の意義について寄稿。総じて芸術的な側面を重視した誌面構成だ。新谷編集長は9月30日夕方に配信したメールマガジンで、グラビア記事についても、

「確かに猥褻というより、その技巧の高さや色使いに見入ってしまいます。ところが、電車内の中吊り広告にクレームが入りました。その詳細にはあえて触れませんが、一部の路線では広告の春画の部分が黒く塗りつぶされています」

と書いていた。

「休養」は警察、広告主、読者等のクレームが原因ではなく、「人事・処分」でもない

   文藝春秋の法務・広報部の担当者は、今回の「休養」は、警察、広告主、読者等のクレームが原因ではなく、あくまで「社内判断」によるものだと説明している。それに加えて、あくまで休養であって「人事・処分」ではない、ともしている。

   これが本当だとすれば、警察が「わいせつ物」だと判断し、警告するなどをした可能性は限りなく低くなる。

   新谷氏は、メルマガで、

「自分で言うのもなんですが、『週刊文春』は週刊誌の中ではお固いイメージをもたれている方が多いのではないでしょうか。実際、ヘアヌードや袋とじはやりません。ただ、昨今のこのブームはさすがに無視できませんでした(笑)」

とも書いている。「社内判断」ということであれば、社内の上層部が、春画グラビア掲載を「社のイメージ」に合わないものだと判断した可能性もある。明確な処分ではなく、なぜ「休養」という異例の対応になったのは、そのあたりの判断にあるのかもしれない。

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