「絶好調」伊藤忠、初の利益トップに立つ 他社と明暗を分けたのは「脱・資源」

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   三菱商事、三井物産という日本を代表する総合商社の「両雄」が2016年3月期に、そろって最終赤字に転落する見通しになった。中国など新興国経済の減速を背景に資源価格が大幅に下がり、資源ビジネスへの傾斜を深めたことが裏目に出た。

   両社とも、非資源分野の事業強化など戦略の練り直しを迫られるが、「稼ぐ力」をいかに取り戻すか、重い課題を背負う。

  • 他社に先駆けて資源ビジネスから撤退し始めた伊藤忠商事は16年3月期、初の利益トップに立つと思われる。
    他社に先駆けて資源ビジネスから撤退し始めた伊藤忠商事は16年3月期、初の利益トップに立つと思われる。

三菱商事、三井物産は「初の赤字」

   三菱商事は3月24日、2016年3月期連結決算の最終損益が1500億円の赤字(前期は4005億円の黒字)に陥る見通しになったと発表した。通期での連結最終赤字は財閥解体を経て1954年に現体制になってから初めて。従来、3000億円の黒字を予想していたが、中国など新興国経済の減速を背景に資源安が続き、各国での事業の資産評価を引き下げる「減損処理」に踏み切った。その損失額は約4300億円に達し、内訳は、チリの銅事業2800億円、豪州の液化天然ガス(LNG)事業400億円、豪州の鉄鉱石事業300億円など。

   三井物産も同様に業績見通しを下方修正し、最終損益を、1947年の同社発足以来、初めての700億円の赤字(従来予想は1900億円の黒字)とした。減損処理損失額は約2600億円(チリ銅事業1150億円、豪州LNG事業400億円、ブラジルでの石炭事業350億円など)。

   両社のほかにも、住友商事は2015年3月期に米国のシェールオイル開発事業の失敗などで3103億円の損失を計上し、最終赤字に転落している。2016年3月期は1000億円の最終利益は確保するものの、ニッケル採掘事業で約770億円の損失を計上。丸紅もメキシコ湾での油田事業などで730億円の損失が出ると発表している。

   これに対して絶好調なのが伊藤忠商事だ。アパレルや食料といった資源以外の事業分野が手堅く利益を稼ぎ、2016年3月期は過去最高となる3300億円の最終利益を予想しており、初の利益トップに立つのが確実だ。

大手商社は2000年代「資源」で大儲け

   資源は国際市場で取引され、価格の変動が大きく、好調時には巨額のもうけをもたらすビジネスだ。大手商社は2000年代に入って以降、原油価格の上昇局面などで好業績を維持。資源分野に強い三井物産は2012年3月期に4000億円を超える最終利益を確保。三菱商事は2015年3月期までの5年間でもうけた約2兆円のうち、約6割にあたる約1.2兆円は資源からだった。

   三菱商事は「資源分野の資産規模が大きくなったうえ、投資マネーの流入で価格変動が激しくなった」(小林健社長=3月発表当時、4月1日付で会長)、三井物産も「しっかり精査して良い案件に投資してきたが、(銅などの)想定以上の価格下落で損失計上を余儀なくされた」(安永竜夫社長)と、今回の赤字の理由を説明する。

   もともと、モノの売買を仲介して手数料(口銭)を稼ぐのが商社の事業モデルだった。しかし、メーカーが自分で原料を調達したり、小売店に商品を届けたりするようになると、仲介貿易や卸といった伝統的な仕事から、自らが生産や販売の主体となる事業投資へと軸足を移した。小売業なら、住友商事のサミットストア、三菱商事のローソンなどがある。

   ただ、投資の失敗はこれまでも多かった。代表例がバブル期の土地など不動産投資や財テクで、巨額の不良債権を抱え、その処理に何年も要し、9大商社の中にも経営危機に陥って救済合併に追い込まれる会社が出るなど、「商社冬の時代」と呼ばれた。今回の資源ビジネスも、構図は同じ。天然ガスや原料炭など資源分野で直接投資に乗り出し、1000億円単位の巨額の資本を投下し、桁違いの収益高収益を享受した時期もあったが、反転した時の傷もまた深かった。

不動産バブルの苦い経験を生かせるか

   この不振をいかに立て直すか。大前提として、損切りを短期で終わらせることだ。バブル崩壊後の地価下落局面で特別損失を繰り返し、いつまでも「打ち止め感」が確認できず、市場の不信を買った苦い経験がある。その点、「今回の多額の減損計上で弱材料の出尽くし感もある」(アナリスト)という指摘がある。

   事業再編では、伊藤忠が一つの参考になるのは間違いない。2013年に「非資源ナンバーワン」を掲げ、2015年に米シェール事業から撤退する一方、食料や繊維の強化を推進。金融、不動産、資源エネルギーなど幅広い事業を展開する中国の国有複合企業グループ「中国中信集団(CITIC)」と2015年に資本提携し、その効果が早くも出始めている。

   とはいえ、資源ビジネスをやめればいいというわけではない。「(資源開発は)20~30年単位でのビジネスで、供給責任もある」(小林氏)ため、すぐに撤退・縮小する考えは各社にもない。資源価格は当面、低迷するとの見方が強いが、新興国需要の伸びで価格がいずれ反転する期待もある。三井物産は引き続き資源を重要分野と位置付け、「現状の市場環境を好機ととらえ、優良資産買収とコスト削減を追求する」方針だ。

   一方、三井物産は米国でシェールガスの開発だけでなく、安価なガスを原料にした化学品の増産に動き、ガス価格の下落を逆に生かして稼ごうとしている。資源という「上流」だけでなく、製品に至る「川下」まで事業を一貫させ、価格変動リスクを分散させる戦略だ。

   要は、資源と非資源ビジネスをどう組み合わせるか。各社の戦略の違いが今後の業績を左右することになる。

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