母親の腸内細菌の乱れが発達障害に 妊娠中からヨーグルトを食べよう

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   腸内細菌が少ない母親から生まれた赤ちゃんに発達障害が現れやすいことを福井大学のチームがマウスの実験から突きとめ、2016年1月、米科学誌「プロスワン」(電子版)に発表した。

   発達障害には遺伝や環境、高齢出産など、さまざまな原因が指摘されているが、母体の腸内環境の悪化もその1つである可能性を示すもので、予防につながると期待されている。

  • 赤ちゃんのためにも腸内環境を整えよう
    赤ちゃんのためにも腸内環境を整えよう

母親によって異常な行動を示すマウスの子

   人間の腸内には1000種類、1000兆個の細菌が棲みついており、そのバランスが免疫能力に影響を与え、健康を左右することがわかっている。赤ちゃんは、産道を通る時と授乳の時に母親の粘膜や皮膚から細菌を摂り入れ、自分の腸内で育む。だから、生まれた直後は母親の腸内細菌の状態の影響を受ける。

   研究チームは、母親の腸内細菌のバランスの乱れが子どもの行動に与える影響を調べるために、マウスを使って次のような実験をした。

   (1)妊娠中の母マウスに細菌の増殖を抑える薬を飲ませ、腸内細菌を減らしてバランスを乱した。その後生まれた子を観察した。

   (2)すると、正常な母マウスから生まれた子より体重が軽く、夜行性なのに夜の行動が低下し、広い空間を怖がるなど異常な行動が見られた。

   (3)これとは別に、正常な母マウスから生まれた子を、生後すぐに腸内細菌を減らした母マウスに育てさせると、やはり異常な行動がみられた。

   (4)逆に、腸内細菌を減らした母マウスの子を、生後すぐに正常な母マウスに育てさせると、正常な行動を示した。

   以上のことから、人間の場合、母親の腸内細菌の状態が、出生後の赤ちゃんの脳に影響を与える可能性が示されたという。

   研究チームの栃谷史郎特命教授は「発達障害の原因は様々で、腸内細菌の乱れはあくまでリスクの1つです」と強調しながらも、「妊娠中や出産後に積極的にヨーグルトを食べたりして、腸内環境を整えることは、予防につながります」と語っている。

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