個人情報保護法などの影響で、ここ数年で社員録の作成を取りやめた会社が少なからずあったという。もったいないことだと思う。社内のリソースを有効に活用し、ダイナミックなコミュニケーションを行うためには、社員一人ひとりの情報はもっと共有されていいはずだ。
そこで今回は、職場のコミュニケーションを活性化させるために「社員図鑑」を作成することをお勧めしたい。いわゆる「社員録」「社員名簿」の進化系だ。全社員の名前と所属から始まって、誕生日や趣味、血液型、果てはペットの名前まで、社員の顔写真とともに紹介されている冊子である。ITを使ってネット上で閲覧できるようにしてもよい。実際、社員録をウェブで公開している会社もあった。
私の前職の会社には、「人間地図帳」というサブキャッチをつけた社員図鑑があった。手元にある1986年版には、内定者を含め4000人以上が掲載されている。16類型の性格診断の結果も載っており、だいたいどんなタイプの人かも分かるようになっている(ちなみに私は"余計な苦労を買って出る"ENFP型だ)。
また、この頃は社内の気になる人にアタックする目安として、なんと「残念ながら既婚」「売約済み」「ルンルン恋愛中」「失恋時代」「切ない片思い」「広く募集中」「ヒミツ」といった自己申告のマークもついていた。
この冊子は「どの部署にどんな人がいるのか把握する」「初めて会う人のプロフィールを事前に確認する」「顔と名前を一致させる」ことなどを可能にして、社員の関係性を密にすることを目的に作られていた。
こんなことをするのは家族経営の日本企業だけだろうと思ったら、そんなことはない。私が通った米国のビジネススクールにも、職員やアルムナイ(卒業生)を含む膨大な人的データベースがあって、ホームページから学籍番号などを入力してアクセスできる。世界中に散らばってしまったクラスメートの所在や近況を知りたいときなどに重宝する。
(続く)
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