「金の切れ目が縁の切れ目」という言葉がありますが、お金でつなぎ止めなければいけない縁なんて、本当にあるんでしょうか――。そんなふうに考えさせられる事がありました。
「エヌモトと申しますが、○○様でいらっしゃいますか?」
「はい、そうですけど…」
ある日、電話をかけた20代前半の女性のお客さま。お支払いの件で、と申し上げると、「え、いくらですか?」と硬い声で聴き返してきました。

「今回の請求金額は14万円ほどになっていますが…」。額を申し上げると、すかさず大きなため息が聞こえました。
「そんなに払えないんで、リボ払いにしてもらえますか?」
カード会社によって異なりますが、一括払いで買った商品を、後からリボルビング払いという分割払いに変更できる場合があります。私は支払方法を変更するために、お客様の購入した商品をチェックし始めました。
(あれ…?)
利用履歴を見ているうちに、なんだかおかしいと感じ始めました。キャバクラと思われる飲食店だったり、同じ日に高級焼肉店で2万円以上も食事をしていたり、およそ20歳そこそこの女性には不似合いな場所でカードを使っているのです。
「えっと、お客さま。失礼ですが、今クレジットカードはお手元にございますか?」。恐る恐る尋ねてみると、しばらくの沈黙の後、
「カードは、彼氏が持ってるんですよね」
ああやっぱり…。他人にカードを譲渡することや、他人にカードを使わせる行為は「名義貸し」と呼ばれ、契約時に禁止されています。そして、カードを使っているのが他人でも、支払い義務は当然ながら契約者本人に課されます。
カードは、限度額の50万円いっぱいまで使われていました。この金額はこれからこの女性が支払っていくことになりますが、このうちのどれくらいを、彼氏が使ってしまったのでしょうか。
(続く)
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