2024年 4月 20日 (土)

定年退職OBが毎日のように出社 「正直、仕事のジャマなんですけど…」

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   2012年から3年にわたり、「団塊の世代」(1947~49年)が65歳を迎える。団塊世代の60歳大量退職に伴う「2007年問題」は、定年の引き上げや再雇用などで先送りされてきたが、いよいよ表面化するおそれもある。

   ある会社では、定年退職したOBが毎日のように会社に顔を出すようになった。現役時代は信頼され慕われた人だったが、話し相手となっている若手社員は「仕事に支障が出てきて困る」と人事に悩みを打ち明けている。

上司は「また来てくださいね」と言うけれど

――製造業の人事担当です。先日、品質保証部の若手A君が相談に来ました。この春に定年退職したBさんのことで相談があるのだそうです。

   Bさんは仕事熱心で、後輩や取引先からの信頼が厚い人でした。嘱託として残る道もありましたが、「少しのんびりしたい」ということで惜しまれて退職しました。

   ところが夏あたりからBさんが、たびたび会社にオフィスに顔を出すようになりました。最初は「ちょっと近くに来たから」「暑いから差し入れを」という用件でしたが、次第に頻度が多くなり、いまでは週に2、3日は執務室に来ているようです。

   A君の上司は若いころにBさんの下で働いたことがあるので、彼の顔を見るたび歓待し、帰りには「また来てくださいね」と送り出しています。

   A君も昔話や雑談に付き合っていましたが、そのうち仕事に支障が出るようになり、最初は新鮮だったBさんのアドバイスなども煩わしくなってきました。

「責任のない立場で言いたいことだけ言って、気楽でいいですよね。でも現実には、そんなに色々できないですから。上司でもないのに仕事に口出しされても困るんですよ」

   とはいえ、Bさんや上司に気兼ねして、「もう来ないでください!」と正面から切り出すことができません。そこで人事に相談というかグチを言いにきたわけですが、こういうとき、どんな対応をしたらいいものでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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