2024年 5月 3日 (金)

定年退職OBが毎日のように出社 「正直、仕事のジャマなんですけど…」

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臨床心理士・尾崎健一の視点
定年後に「嘱託」を挟むことには、心理的な意味もある

   現役時代に頼りにされていた人が、名残惜しくなって会社を訪ねたくなる気持ちはよく分かります。「責任のない立場で思ったことを気楽にいえる」のも辞めたあとだからこそ。気分がよいものでしょう。その話に耳を傾けてくれる人がいるのは、現役時代に積み重ねた信頼の賜物だとは思いますが、それも過度になれば迷惑がられるのは仕方ありません。

   定年を迎えて長年勤めた会社を辞めた人が「荷おろしウツ」に罹ることがあります。仕事のみに傾倒し、家族や趣味など仕事以外の柱を持たない人がなりやすく、急に「自分には存在価値がない」という思いに駆られてしまうのです。定年退職後の一定期間、嘱託などとして働いてもらうことには、このような環境の激変を緩和する意味もあります。しばらく責任の軽い仕事をしてもらってから辞めてもらえば、このようなリスクを減らせるかもしれません。Bさんの意向を聞いて、しばらく嘱託として働いてもらうことも考えられるのではないでしょうか。


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(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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