2024年 4月 18日 (木)

古賀茂明氏が越えてしまった「一線」 「メディアへの圧力」を考える

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   先日、元経産官僚の古賀茂明氏が報道ステーションの生放送中に暴走し、ニュースそっちのけで10分以上にわたり手製フリップを出すわ自身の降板問題をぶちまけるわで、大きな話題となっている。


   果たして氏の言う通り、氏の降板の背景には政府の陰謀のようなものがあったのだろうか。


   いい機会なので、メディアの裏側の力関係についてまとめておこう。

「政治の圧力」ほど、メディアにとって美味しいネタはない

越えてはならない一線とは
越えてはならない一線とは

   一部の人たちの夢を壊すようで悪いが、結論から言うと「メディアに政府が圧力をかける」ということはまずありえない。仮にやったとすれば、報ステあたりなら大喜びして「徹底検証!政府による圧力と報道の自由について」とかなんとかいって2時間特番くらい組むだろう。「政府は常に暴走するリスクがあるからチェックするのが我々の役目だ」と考えている彼らにとって、これほど美味しいネタはないからだ。


   数年前、筆者自身も出演していたサンデープロジェクト(テレビ朝日系、2010年3月終了)では、1985年の派遣法成立時の厚労省事務次官の自宅にカメラが突撃して老人を追い回すVTRが流されたことがある。別に彼らが利益目的でやったわけでもなんでもなく「全員終身雇用で雇わせるという狂気の政策」に代わる常識的な規制緩和なのに、制作側はまるで「大企業と結託して甘い汁を吸った張本人」と言わんばかりの悪趣味なVTRだった記憶がある(さすがにやりすぎたらしく、後にBPO審査にかけられていたが)。


   彼らにとって政府とは、世の中で起きている不都合の責任をかぶせ、叩き、粗を探す獲物ではあっても、恐れるべき怪物ではないのだ。


   というような話は、メディアの作り手や出演経験のある人なら誰でも知っている話だ。もちろん、経産省OBであり報道ステーションのレギュラーでもあった古賀さんも知らないわけがない。だからこそ、彼の発言は、メディアの作り手からすると、とうてい看過できないものだろう。

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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