三隅発電所で火力発電所の巡視点検スマート化に向けた実証を開始

巡視点検スマート化実証は、中国電力とNTTドコモビジネスが連携し、ロボットやIoT、AIを活用して発電所の保安力向上と点検業務の効率化を目指す取り組みとして、島根県の三隅発電所2号機で開始されました。

実証の背景と目的

火力発電所では、トラブルを未然に防ぎ安定運転を確保するため、運転員が日常的に設備の巡視点検を実施しています。この業務には多くの時間と人的資本を要するほか、近年では電気保安分野における人材確保や設備の高経年化が課題となっています。こうした背景から、中国電力は火力発電所におけるDX推進の一環として、ロボット・IoT・AIを活用した巡視点検のスマート化を図ることとしました。本実証では、NTTドコモビジネスが通信やデータ連携、AI活用の知見を活かし、データ収集・蓄積・解析基盤の構築を支援します。

実証概要

本実証では、自律走行ロボットやIoT機器を用いて設備データを自動収集し、AIによる総合的な解析で運転状態を判断する仕組みを構築します。これにより、人手による点検の一部を代替・高度化し、異常の早期発見と保安力の向上を目指します。

実証期間:2026年7月29日から2026年度末まで
実施場所:三隅発電所2号機(島根県浜田市)
対象発電所:三隅発電所(定格出力100万kW)
主な取り組み内容:
・固定式IoTカメラによる計器・温度・漏洩に関する設備状況の撮影※固定式IoTカメラは、通路が狭いなどの理由でロボットが走行できない場所の設備が対象。
・固定式IoTセンサーによる振動・温度データの常時計測
・自律走行ロボットによる計器・温度・漏洩に関する設備状況の撮影および固定式IoTセンサーのデータ取得
・各種現場データをAI等により数値データ化し、中国電力が運用する「トラブル予兆検知システム」へ連携してAIで総合解析。異常予兆検知時の通知発出と運転員による現場確認
・運転員が発電所の運転状態を適切に判断できるかの検証

※トラブル予兆検知システムは、AIを活用したデータ解析によりプラントデータを常時監視・診断し、通常と異なる挙動を異常の予兆として検知することで、トラブルの早期発見を可能とするシステム。中国電力が2021年度から三隅発電所等において導入している。

今後の展望

本実証で得られた技術や知見を蓄積し、2027年度における三隅発電所での本格運用開始を目指します。将来的には、中国電力が有する他の火力発電所への展開についても検討していきます。

まとめ

中国電力とNTTドコモビジネスは、ロボット・IoT・AIを組み合わせた新しい点検手法を導入し、持続可能な電力インフラの構築に向けた電気保安のスマート化を推進します。

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