2024年 4月 25日 (木)

中国研修生殺人事件「ちょっと気の毒」

   千葉県木更津市の養豚場で昨年8月に3人の男女を死傷させ、殺人および殺人未遂の罪に問われた中国人研修生の崔紅義被告(27)の判決が7月19日、千葉地裁木更津支部であり、懲役17年が言い渡された。

   今朝の「とくダネ!」は、崔被告の犯行の動機となった、研修制度を隠れミノにした受入れ団体の実態をスクープと称して追った。事実なら「手配師」さながらのとんでもない実態だ。

研修制度を日本人が悪用している?

   中国チチハル出身の崔被告が千葉県農業協会研修センターのあっせんで来日し、木更津市内の養豚場で働き始めたのは2006年4月。来日するために借金して、研修センターが名義を貸しているチチハルの現地送り出し機関に、「渡航費用」として104万円を支払った。

   数年間働けば、借金を返済しておつりがくると踏んだのだが、実際は違った。週40時間労働で月額6万円ちょっとの給料。違法のはずの残業も時給450円というお粗末さだった。それでも8月まではまじめに働いた。が、あまりに安い給料なのでセンターに抗議したところ、センターでは8月17日に強制帰国させることに決めた。

   翌日、強制帰国のために迎えに来た県農業協会の常務理事をしている越川駿さん(62)と通訳の中国人女性らに、崔被告が逆上。越川さんを刺殺し、他の2人にもケガを負わせた。このまま帰れば借金だけが残ってしまうというものだった。

   実は県農業協会は県内の農家から資金を集め、研修制度の運営費用に充てており、崔被告は「渡航費用」などを支払う必要はなかった。では崔被告が支払った104万円はどこへ行ったのか?

   その金はなくなった越川さんが個人的に運営していた受け入れ機関に流れていたことが分かっており、二重取りの疑いも出ている。

   佐々木アナが「研修制度を日本人自ら悪用しているということですか?」に、コメンテーターの日経ウーマン編集長、野村浩子が「研修制度を隠れミノに荒稼ぎするというのは許せない」と憤慨。芸能リポーターの前田忠明も「これは許せない日本人の恥ですよ」と。

   最後に小倉が「情状の面があったんですね。ちょっと気の毒な気がする」と、崔被告に同情した。

   ただし、以上の経緯は、すでに報道されていて決してスクープではない。改めて取り上げるなら、県農業協会側や研修制度を監督指導する国際研修協力機構(JITCO)などのコメントがほしい。取材の突っ込みがいま一つだった。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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