「ボーン・アルティメイタム」逞しくなったマット・デイモン、超人的な活躍みせる

2007/11/ 9      twitterでつぶやく このエントリーを含むはてなブックマーク はてなRSSに追加 この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をクリップ! Yahoo!ブックマークに登録 newsing it!   コメント(1)   印刷

   シリーズ最終章でジェイソン・ボーン(マット・デイモン)はついに自分の正体を知る。思えば長い旅だった。1作目では受身で弱々しく見えたボーンがシリーズ毎に徐々に逞しく、機知に富み、敵の弱点を素早く見抜く才能を身に付け発揮するようになる。キエフから始まり、パリ、ロンドン、マドリッド、タンジール、ニューヨークとエキゾチックな大都市を飛び回り、観光映画なみにワクワクさせてくれる。ボーンの周りにはいつも親密になる女性がいる。今回はCIAマドリッド支局のニッキー(ジュリア・スタイルズ)で、彼女との会話から自分とニッキーは同僚以上の関係だったことを知る。またCIA内部調査局長パメラ(ジョアン・アレン)も影の味方となる。

(C)2007 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
(C)2007 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

   前作で最愛の女性マリーを失い怒るボーンは、CIAの秘密プロジェクト「トレッドストーン計画」の全貌を暴こうと、最後の戦いを開始する。CIA内部の敵から次々と送られて来る獰猛な暗殺者たちとの壮絶な戦いが、見どころの一つだ。イギリスの新聞記者ロス(P・コンシダイン)が、CIAの新たな「ブラックブライアー計画」を記事にし、CIAもボーンもその出所を探る。ボーンとロスが待ち合わせた人ごみのウォータールー駅構内での暗殺者との銃撃戦が凄い。銃を使わないシーンの見せ場は、モロッコの密集した住宅街で殺し屋を追跡する場面だ。レンガの粗末な家の屋根から屋根へ超人的に飛躍し、窓から窓を破ってボーンは獲物を仕留める。

   シリーズで必ず登場する猛烈なカーチェイスは、手に汗握る。また、互い に相手の居所を突き止めようとする騙しあい、携帯や盗聴、監視カメラの利用など、現代の最先端技術を見せてくれる。「ブラックブライアー計画」とは飛んでもない代物だ、と徐々に明らかになってくるが、それを守ろうとする敵もトップまで絡む根深さ。その悪の勢力とボーンとの対決がNYマンハッタンでのクライマックスだ。

   マット・デイモンは自ら脚本を書き主演した出世作「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」(97)以来、ずっと子供っぽい顔立ちで頼りなげだったが、このシリーズ最終章で頼もしい大人になった。ポール・グリーングラス監督が前作に続いてメガホンを取るが、「ブラディ・サンデー」「ユナイテッド93」のドキュメンタリー・スタイルでライト無しの手持ちカメラの撮影は変わらない。画面からのリアルな現場感や迫力が凄まじい。

恵介
オススメ度: ★★★★☆
ボーン・アルティメイタム(THE BOURNE ULTIMATUM)
2007年アメリカ映画、東宝東和配給、2007年11月10日公開、1時間55分
監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン / ジュリア・スタイルズ / ジョアン・アレン

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